地球環境の保全と事業活動の調和を経営の重要課題のひとつとして、環境法令・条例を遵守するとともに、自然保護活動への積極的な参加や省資源・省エネルギーに努めます。研究開発ならびに原料調達から生産、物流、消費に至る全てのプロセスで発生する環境負荷削減に努めます。
タカラバイオグループは、地球環境の保全と事業活動の調和を経営の重要課題のひとつとし、環境マネジメントシステムを構築して継続的な改善に取り組み、持続可能な社会づくりに貢献します。
1. 環境に関連する法令および組織が同意するその他の要求事項を順守します。
2. タカラバイオグループが行う事業活動の中、以下の項目について重点的に取り組みます。
① 環境汚染の予防に努めます。
② 省エネ・省資源を推進し、持続可能な資源の利用に努めます。
③ 温室効果ガスの排出量を削減し、気候変動の緩和に努めます。
④ 生物多様性や生態系の保護・保全に関わる活動を推進、支援します。
⑤ 水使用量の削減並びに、廃棄物の発生抑制および再資源化を推進し、循環型社会の実現に貢献します。
3. 環境活動への取り組みや環境パフォーマンス情報を積極的に開示し、社会とのコミュニケーションに努めます。
4. 本環境方針は、教育啓発活動を通じてタカラバイオグループの全構成員に周知するとともに、社員の社会貢献活動への参加を積極的に支援します。
タカラバイオグループの中でCO_{2}排出量、水使用量の比率が高いタカラバイオ本社事業所の主要施設は、環境性能の高い新工法を取り入れた構造設計を採用するなどの環境対策を行っています。
タカラバイオ本社事業所の環境対策例
- コージェネレーション(発電供給)システムの導入
- 外壁・窓の高断熱化
- 高効率の変圧器採用
- ビル・エネルギー管理システムによるエネルギーの可視化
- 再生可能エネルギーの利用予定
- 太陽光パネルの設置
- バイオハザードを防止する構造・設計
タカラバイオグループは、「持続的な社会の実現」および「当社グループの持続的な成長」に向けて、気候変動に関わるリスクと機会を的確に評価し、事業運営への影響や対応策を明確にして、ステークホルダーへの積極的な情報開示に努めています。評価にあたっては、気候変動財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づくシナリオ分析を活用し、世界の平均気温を産業革命前に比べて2℃未満に抑制される「2℃未満シナリオ」と、同じく4℃上昇する「4℃シナリオ」を用いてシナリオ分析を行い、当社事業に与える影響度と発生可能性を評価するとともに、その対応策を検討しています。
継続的にリスク・機会の見直しや対策の具体化を進め、中長期の経営戦略に反映させ、気候変動に対する経営戦略の高度化に努めます。
タカラバイオグループの2023年度のCO2排出量は、14千t-CO2となりました。タカラバイオは、遺伝子・細胞プロセッシングセンター2号棟の本格稼働により排出量が増加しましたが、宝生物工程(大連)が通常電力から再生可能エネルギー電力へ切り替えを実施し、全体では減少しました。
一方、2023年度の当社グループのCO2排出量(原単位)は、売上高の減少により2018年度比で89%となりましたが、引き続き環境に配慮した事業活動を目指していきます。
CO_{2}排出量削減目標
2025年度の売上高当たりのCO2排出量(原単位)について、再生可能エネルギー等の効率的な利用により、基準年(2018年度)比50%削減する。
2023年度のタカラバイオグループの水使用量は117千m~{3}となり前年度から12千m~{3}増加しました。タカラバイオの遺伝子・細胞プロセッシングセンター2号棟の本格稼働により、使用量が増加しました。
製造拠点のタカラバイオ、宝生物工程(大連)、Takara Bio USAは、水資源を上水道より得ており、河川や海からの直接取水はありません。
製造拠点のタカラバイオ、宝生物工程(大連)、Takara Bio USA は、排水をすべて下水道へ排水しており、河川や海洋への排水はありません。微生物、ウイルスや遺伝子組み換え体などを取り扱うバイオハザード施設において、廃液滅菌システムを導入し、汚染された排水を高温高圧で滅菌処理することで安全性や環境に配慮しています。また、有害物質や生理活性物質などは廃棄物として処理し、排水への混入を防止しています。
主要な3製造拠点 (日本、中国、米国)について、現在(2023年)および将来(2030年)の事業継続に必要な水の渇水リスクと洪水リスク(河川氾濫および海面上昇)を把握するために、世界資源研究所(World Resource Institutions)が提供する「Aqueduct Water Risk Atlas*」を用いて評価しました。
評価対象 |
現在(2023年度) |
将来(2030年度) |
水使用量(2023年度) |
---|
タカラバイオ |
小 ー 中 |
小 ー 中 |
95.6千m~{3} |
宝生物工程 |
中 ー 高 |
極大 |
19.1千m~{3} |
Takara Bio USA |
小 |
小 ー 大 |
2.2千m~{3} |
水使用の大部分を占めるタカラバイオは「小-中評価」のため、全体としてリスクは低いと予測
評価対象 |
現在(2023年度) |
将来(2030年度) |
---|
タカラバイオ |
>0 cm |
>0 cm |
宝生物工程 |
>0 cm |
>0 cm |
Takara Bio USA |
0 - 50 cm* |
0 - 50 cm* |
Takara Bio USAの施設は50 cm以上のかさ上げの対策があり、被害の発生するリスクは低いと予測
評価対象 |
現在(2023年度) |
将来(2030年度) |
---|
タカラバイオ |
ー |
ー |
宝生物工程 |
>0 cm |
>0 cm |
Takara Bio USA |
>0 cm |
>0 cm |
主要製造3拠点の海面上昇による被害発生リスクは低いと予測
タカラバイオグループは、地球環境の保全と事業活動の調和を経営の重要課題のひとつとし、環境マネジメントシステムを構築して継続的な改善に取り組み、持続可能な社会づくりに貢献します。
2022年度は、タカラバイオの旧研究・製造棟の解体や製品廃棄に伴う廃棄物排出量が増加しましたが、2023年度はこれが無くなりました。廃棄物排出量を削減するために、容器包装の3R(リデュース・リユース・リサイクル)への取り組みを進めています。
その他の事業所については、排出量が少ないためグラフには未記載
環境に配慮した製品パッケージ
主要製品である試薬の包装には、紙製の箱もしくはアルミを含むPET*フィルム製パウチを用いています。当社グループでは、環境負荷低減のため、紙製の箱については、FSC認証材**および植物由来オイルインクを使用した素材への切り替えを進めています(図1)。また、片面のみアルミを含むパウチに関しては、アルミを含まないアルミレスパウチへの切り替えを進めています(図2)。なお一部の製品に関しては、製品の品質保持の観点から両面アルミパウチを使用しています。
*ポリエチレンテレフタレート
** 持続可能な森林活用・保全を目的として誕生した、「適切な森林管理」を認証する国際的な制度
図1 FSC認証材および植物由来オイル
インクを使用した素材への切り替え
図2 片面アルミパウチからアルミレスパウチへの切り替え
研究用試薬の輸送にあたっては、熱、衝撃、振動による影響を避けるため、製品仕様に合わせて、保冷剤や冷却材、緩衝材と共に発泡スチロール製の保冷箱に梱包し、品質・性能を保持しています。当社では、環境への配慮の観点から、使用済み発泡スチロールや廃家電のポリスチレンから再生した樹脂を100%使用した「再生発泡スチロール」製輸送用保冷箱を使用しています。
【冷蔵・冷凍試薬の輸送時の梱包例】
テーマ:気候変動問題への対応
施策 |
2025年度達成目標 |
説明 |
CO2排出原単位(売上高当たりのCO2排出量)を、2025年度に2018年度比で50% 削減する |
① 省エネルギー活動や再生エネルギー等の利用を推進する |
再生エネルギーの利用範囲の拡大、省エネ活動により、原単位ベースでの50%削減を達成する |
② 地域や組織のCO2削減活動への賛同・参加 |
・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同する。 |
|
・地域(例:しがCO2ネットゼロムーブメント)のCO2削減活動への賛同・参加 |
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気候変動に対する取り組みに関する情報開示の推進 |
TCFDフレームワークに基づく情報開示等の推進 |
・ Scope 3算定・公表 |
・CDP調査に回答 |
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環境に対する社員意識の向上 |
個人、職場単位で取り組み可能な省エネ、省資源活動の推進 |
・eラーニング等による社員の環境教育の実施(年1回) |
・日常業務における省エネ、省資源活動の推進 |
||
・環境ISO認証(ISO14001)取得・維持 |
テーマ:環境に配慮した製品パッケージ、梱包への対応
施策 |
2025年度達成目標 |
説明 |
環境に配慮した製品の開発 |
① 紙パッケージの森林認証紙化、ベジタブルオイルインク使用を進め、2025年度までに100%を目指す |
新ロットの製造時から順次切り替えを進める2025年度までに目標を達成する |
② 片面アルミレスパッケージ製品について、2025年度までに100%を両面アルミレスにする |
新ロットの製造時から順次切り替えを進める2025年度までに目標を達成する |
|
③ 梱包用の保冷箱をリサイクル資材を使用した発泡スチロール(リサイクル保冷箱)に変更し、2025年まで100%を目指す |
リサイクル保冷箱への切り替え(100%) |
項目 |
対象範囲 |
単位 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
CO₂排出量 (Scope1,2) |
タカラバイオ |
t-CO₂ |
9,833 |
10,418 |
11,107 |
宝生物工程(大連)有限公司 |
t-CO₂ |
4,126 |
4,619 |
2,555 |
|
その他事業所 |
t-CO₂ |
294 |
655 |
549 |
|
廃棄物排出量 |
タカラバイオ |
t |
192 |
325 |
254 |
宝生物工程(大連)有限公司 |
t |
79 |
75 |
61 |
|
その他事業所 |
t |
1 |
4 |
3 |
|
化学物質(PRTR法対象物質)取扱量 |
タカラバイオ |
kg |
186 |
382 |
182 |
水使用量 |
タカラバイオ |
㎥ |
84,657 |
83,689 |
95,557 |
宝生物工程(大連)有限公司 |
㎥ |
21,251 |
19,936 |
19,111 |
|
その他事業所 |
㎥ |
80 |
1,805 |
2,358 |