タカラバイオ株式会社は、独自に開発を進める遺伝子治療用AAV(アデノ随伴ウイルス)ベクター「CereAAV~{TM}」について、カニクイザルを用いた試験において、脳に効率よく遺伝子を導入できることを確認しました。また、マウス試験においてCereAAV~{TM}よりもさらに脳への高い遺伝子導入効率を示すCereAAV~{TM}の改変体の開発を進めています。
CereAAV~{TM}はこれまで、マウスおよびマーモセットの脳、マウス網膜内の細胞に対し高い遺伝子導入効率を示すことが確認されています~{1)}。今回、よりヒトに近いカニクイザル試験を行い、既存の遺伝子治療薬で使用されているAAV9と比較し、CereAAV~{TM}は脳の各部位において最大25倍高い遺伝子導入効率を示すことを確認しました。
また、CereAAV~{TM}の改変体である「CereAAV~{TM}mt-6Y」を新たに見出し、CereAAV~{TM}より約10倍高い、マウスの脳への遺伝子導入効率を確認しました。
CereAAV~{TM}およびCereAAV~{TM}mt-6Yは、高い遺伝子導入効率を示すことから、より少ない投与量で治療効果が得られる可能性があり、AAVベクターを用いた遺伝子治療の課題とされているコストの削減につながることが期待されます。
当社では、CDMO事業の一環として、AAVベクターを含む各種ウイルスベクターの製造受託サービス~{2)}を提供しており、CereAAV~{TM}の受託製造サービスも行っています~{3)}。今後もCereAAV~{TM}などの創薬技術開発に注力し、これらの技術を幅広く提供していきます。
本成果は、第29回日本遺伝子細胞治療学会学術集会(2023年9月11-13日、大阪国際会議場 演題番号O9-6)にて発表します。
<関連するニュースリリース、サービス>
1) ニュースリリース
遺伝子治療用ベクターCereAAV™による網膜への高効率な遺伝子導入を確認
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_23m0511ce2Jk5VlonW.html
(2023年5月11日付)
新規脳指向性遺伝子治療用ベクター“CereAAV™”を開発
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_22m0419ueEW8skpm3b.html
(2022年4月19日付)
2) 受託サービス
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター作製
レトロウイルスベクター作製
レンチウイルスベクター作製
3) ニュースリリース
脳指向性遺伝子治療用ベクター「CereAAV™」の受託製造サービスを開始
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_22m0720xgU87wbLkw9.html
(2022年7月20日付 )
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970
当資料取り扱い上の注意点
資料中の当社による現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決などがありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。