当中間連結会計期間における世界経済は、インフレの長期化、中国経済の減速、ロシアのウクライナ侵攻等の影響により、先行きは不透明な状況となっています。当社グループが属するライフサイエンス業界においても、物価高や金利の高止まり等の影響から研究予算が縮減され、研究開発のアクティビティが低下し、市場回復が遅れています。
このような状況の中、当社グループは、2025年度を最終年度とする6カ年の「長期経営構想2025」および3カ年の「中期経営計画2025」のもと、試薬・機器事業とCDMO事業を通じ、バイオ創薬基盤技術開発を進め、ライフサイエンス産業のインフラを担うグローバルプラットフォーマーを目指すための取り組みを推進しました。
当中間連結会計期間の売上高は、受託が前年同期比で減少したものの、試薬、機器、遺伝子医療が前年同期比で増加しました。その結果、19,758百万円(前年同期比3.4%増)と増収となりました。売上原価は、相対的に利益率の高い検査関連試薬の減収や売上構成の変化の影響等により、7,313百万円(同26.7%増)となりました。このため、売上総利益は、12,445百万円(同6.7%減)と減益となりました。販売費及び一般管理費は、12,028百万円(同0.8%増)となり、営業利益は、417百万円(同70.4%減)と減益となりました。営業利益の減益にともない、経常利益は、549百万円(同65.6%減)、税金等調整前中間純利益は、427百万円(同73.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は、513百万円(同52.7%減)とそれぞれ減益となりました。なお、当第1四半期連結会計期間より、管理区分の見直しによって従来「試薬」に含めていたmRNA製造用関連製品(研究用)等の売上高を、「遺伝子医療」に加えています。この結果、前中間連結会計期間の売上高は変更後の区分に基づいて組み替えを行い、前中間連結会計期間に「試薬」に含めていた245百万円を、「遺伝子医療」として組み替えています。
当中間期の業績は2024年5月10日に公表した業績予想に対して、売上高は前回予想を下回りましたが、営業利益は前回予想を上回りました。
なお、特に受託事業の売上高が第4四半期に偏っていることなどから、第3四半期連結累計期間は営業損失となる見込みですが、2025年3月期通期の連結業績予想については、2024年5月10日に公表した当該連結業績予想を変更せず、前期比で増収増益を見込んでいます。
当社は、研究開発活動を積極的に実施していくため内部留保の充実に意を用いつつ、株主の皆様への利益還元についても重要な経営課題と位置づけ、経営成績および財政状態を総合的に勘案して利益還元を実施していくことを基本方針としています。具体的には、連結財務諸表における特別損益を加味せずに算出された想定当期純利益の35%を目途として剰余金の配当を行う方針ですが、資本効率の改善に努めるべく、2024年度の期末配当金については、2024年5月10日に公表しました1株当たり17円00銭を予想しています。
投資家の皆様におかれましては、引き続き、当社へのご理解ご支援のほどお願い申し上げます。
2024年11月
代表取締役社長
仲尾 功一