当社は「中期経営計画2025」において、連結営業利益とROE(自己資本利益率)をKPI(重要業績評価指標)として掲げ企業価値の向上に努めています。
取締役会では定期的に株主資本コストやWACC(加重平均資本コスト)、株価やPBR(株価純資産倍率)などを検証し、利益成長と適切な株主還元により中長期的な資本効率の改善を図ることで、資本コストや株価を意識した経営を実践しています。直近では、投資者の期待収益率である当社の株主資本コストは6.0~6.5%程度と推計しております。2020年度~2022年度はコロナ禍で新型コロナウイルス検査関連試薬の売上の増加により利益水準が非常に高かったことから、ROEが株主資本コストを大きく上回っていましたが、2023年度はコロナ禍の反動、および経済状況等の影響によるライフサイエンス市場の低迷により利益水準が低下しROEは1.3%となりました。2024年度の業績予想から試算されるROEは3.0%と前期に比べやや上昇する見込みです。
同様に当社の株価およびPBRにつきましても、コロナ禍の反動により利益水準が下がったことにより、低下しているものと認識しています。
当社は、再生医療等製品をはじめとするCDMO事業(バイオ医薬品の開発製造サービス)を将来の成長事業と位置付けていますが、同事業は設備や人材への先行投資が必要となります。今後CDMO事業の拡大に伴い、連結営業利益やROEが向上し、適切な資本政策を実施することで株価やPBR、企業価値の向上に努めてまいります。