タカラバイオ株式会社は、 米国臨床腫瘍学会 (本年5月31日~6月4日)において、腫瘍溶解性ウイルスC-REV(一般名canerpaturev, 旧称 HF10)およびNY-ESO-1・siTCR~{®}遺伝子治療に関し、国内外で実施した試験結果を発表します。
【発表概要】
学会名 |
ASCO(American Society of Clinical Oncology)Annual Meeting 2019 |
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場所 |
McCormick Place (米国イリノイ州シカゴ市) |
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発表日時 |
2019年6月1日午前8時~11時(現地時間) |
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演題番号・演題名 |
発表概要 |
発表資料 |
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(2610)
進行性固形がん患者に対する腫瘍溶解性ウイルスC-REV (HF10)の単剤療法とイピリムマブとの併用療法における免疫学的効果 |
C-REVのがん患者に対する単独投与、およびイピリムマブとの併用療法を行い、C-REVの免疫学的効果について検証した。単独投与の場合、60%の患者で腫瘍への免疫細胞の浸潤が観察され、C-REVによるがん免疫誘導が強く示唆された。また、併用療法の場合は、C-REVに持続的に感染した患者で、病勢コントロール率の改善が観察された。以上により、C-REVの抗腫瘍効果は、腫瘍溶解に加え、がん免疫誘導によるものであること、また免疫チェックポイント阻害剤との併用が有効であると考えられる。 |
発表資料は |
(2530)
新規高親和性NY-ESO-1 特異的TCR遺伝子改変T細胞輸注による滑膜肉腫患者における腫瘍縮小効果と早期に発現するサイトカイン放出症候群 |
難治固形がん患者を対象に実施したTCR遺伝子改変T細胞輸注療法において9例が登録・投与された。3例で細胞投与後、早期にグレード2のサイトカイン放出症候群が発症したが、いずれもトシリズマブの投与により鎮静した。また、腫瘍縮小効果は、滑膜肉腫患者4例中3例が部分奏効で、いずれもNY-ESO-1発現が顕著であったことから、NY-ESO-1発現とTCR遺伝子改変T細胞輸注療法の抗腫瘍効果との間に相関性があることが示唆された。 |
発表資料は |
(2537)
TB-1301(NY-ESO-1特異的TCR遺伝子改変T細胞)輸注療法前の最小限のリンパ球除去処置による臨床反応とサイトカイン放出症候群に対する効果 |
NY-ESO-1発現陽性の固形がん患者9例(滑膜肉腫4例、メラノーマ3例、卵巣がん1例、子宮内膜がん1例)を対象として、低用量の輸注前リンパ球除去によるTBI-1301輸注療法を実施した。グレード1〜2のサイトカイン放出症候群が5例で発症したが、自発的にもしくはトシリズマブの投与により回復した。腫瘍縮小効果は、部分奏効が 2例(いずれも滑膜肉腫)、安定5例、進行1例であった。以上の結果は、TCR遺伝子改変T細胞輸注療法の安全性と抗腫瘍効果を示唆する。 |
発表資料は |
当社は、腫瘍溶解性ウイルスC-REVおよびNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療薬に関する早期の商業化を目指しています。いずれも、国内では大塚製薬株式会社と共同開発・独占販売契約を締結し開発を進めています。当社は、今後も患者様や医療関係者に貢献する臨床開発プロジェクトを推進し、未充足な医療ニーズの解決に向け取り組んでまいります。
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970