タカラバイオ株式会社は、近年注目が高まる、ゲノム編集_{注1} に使用されるCas9タンパク質_{注2}のGMPグレード製品「Recombinant Cas9 Protein GMP grade」(以下、本製品)を、本日より国内で販売します。
ゲノム編集は、標的とする遺伝子を人工的に改変する遺伝子操作技術で、近年は基礎研究から医療や農業などの応用分野にまで幅広く利用が進んでいます。なかでも、CRISPR/Cas9システムによるゲノム編集は、いくつかある他のゲノム編集技術と比較し、操作が簡便で編集効率に優れるため特に普及しています。
本製品は、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)の組換えCas9タンパク質をGMPに準拠した品質管理下で製造したもので、ヒトおよび動物由来物質を含まず、高い品質を担保しています。
本製品の特長
- ヒトおよび動物由来物質を含まない。
- 哺乳動物細胞への導入時に生じる細胞へのダメージを低減するように溶液組成を最適化しており、高効率なゲノム編集が可能
- 医薬品の製造品質管理基準であるGMPに準拠しており、高い品質を担保している
当社は、近年ニーズが高まっているゲノム編集に関連する応用分野を注力分野と位置づけ、ゲノム編集を用いた研究を支援する製品・サービスを開発し、事業のさらなる拡大を図ってまいります。
【 製品概要、写真 】
製品コード |
製品名 |
容量 |
価格(税別) |
---|
T230 |
Recombinant Cas9 Protein GMP grade |
0.6 mg |
350,000円 |
【製品の詳細、購入問合せ先】
本製品の詳細、購入については、営業企画部製品担当(TEL: 077-565-6972)までお問い合わせください。
【参考リリース】
「幅広い細胞種に利用できる高効率なCRISPR/Cas9ゲノム編集製品を発売」 2016年1月12日
http://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/news_Release7239157608375384215.html
核酸分解酵素を用いたゲノムDNA上の標的遺伝子改変技術をゲノム編集と言います。細胞内で核酸分解酵素を用いて標的遺伝子(ゲノム)のDNAを切断し、それを細胞自身が修復しようとする働きを利用して標的遺伝子を改変します。ゲノム編集は動物、植物、培養細胞などの遺伝子改変が可能なため、基礎研究から食品・医薬品などを対象とする応用まで幅広い利用が期待されています。
(注2) CRISPR/Cas9システム
現在主流のゲノム編集の1つ。“Cas9”タンパク質とRNA分子である“ガイドRNA”の複合体によって、細胞内でゲノムDNA上の任意の領域を正確に切断することで、遺伝子のノックアウト(遺伝子破壊)、ノックイン(外来遺伝子の挿入)、遺伝子塩基置換を行う技術です。
【参考図】 CRISPR/Cas9システムによるゲノム編集のながれ
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970