タカラバイオ株式会社は、ウラシルを含む特殊なDNAからの増幅に適したPCR酵素「PrimeSTAR® GXL U-Tolerant DNA Polymerase」(以下、本試薬)を本年9月4日より発売開始します。

 

 PCR増幅技術は、検体中に存在する微量なDNAを高感度に検出・解析できる技術として、基礎研究から臨床応用まで幅広い分野で活用されています。

 

 DNAはアデニン、グアニン、シトシン、チミンの4種類の塩基から構成されていますが、損傷を受けたDNAサンプルには、通常含まれないウラシル注1)が存在することが知られています。ウラシルが含まれるサンプル例として、臨床検体の長期保存に用いられるFFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)サンプルや土壌・水・汚泥など環境中から採取されたサンプル、骨・歯・化石などの考古学試料から採取された古代ゲノムサンプルなどが挙げられます。また、エピジェネティックス注2)研究分野では、DNAのメチル化を解析するためにバイサルファイト処理注3)を行って人為的にウラシルを導入したうえでNGS解析 (バイサルファイトシーケンス)を行います。現在、ウラシルを含むDNAサンプルからのPCR増幅で使用できるPCR増幅酵素は限られおり、特にNGS解析などでは、PCR増幅時の正確性が課題でした。

 

 本試薬は、当社の高性能酵素である「PrimeSTAR® GXL」をベースに開発した酵素で、操作性に優れたオールインワンタイプです。GC含量に左右されない均一な増幅、長鎖増幅といったGXL酵素の特性を維持しながら、ウラシルを含むDNAからも正確なPCR増幅が可能なことから、損傷を受けたDNAサンプルからのPCR増幅に最適です。当社は、生物考古学などの基礎研究をはじめ、環境DNAのモニタリング、臨床検査、エピジェネティクス解析に至る幅広い分野での使用を期待しています。

 

 なお、本試薬の開発において、長浜バイオ大学との共同研究成果を活用しました。

 

 当社は、基礎研究から産業応用まで、幅広い用途に応じた遺伝子解析・検査分野の製品開発・提供を通じ、今後もバイオ産業の一層の発展を支援します。

 

(注1) 本来はRNAに含まれる塩基(U)。DNAはアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)の4種類より構成されるが、損傷を受けたDNAにおいては一部のシトシンが加水分解によりウラシルに変化することで知られている。

(注2) DNAの塩基配列を変化させることなく遺伝子発現を制御する仕組み。DNAのメチル化やヒストン修飾などの化学修飾を介して遺伝子発現を調節し、発生や分化をはじめとするさまざまな生命現象に重要な役割を果たしている。

(注3) DNAに対する亜硫酸水素塩を使用した化学処理。非メチル化シトシンをウラシルに変換する一方で、メチル化シトシンは変換しない。

【製品概要】

製品名

製品コード

容量

希望小売価格(税別)

PrimeSTAR® GXL U-Tolerant DNA Polymerase

R057S

40回

10,000円

PrimeSTAR® GXL U-Tolerant DNA Polymerase

R057A

200回

41,000円

PrimeSTAR® GXL U-Tolerant DNA Polymerase

R057B(AX4)

800回

121,000円

 

【製品画像】

PrimeSTAR® GXL U-Tolerant DNA Polymerase(左: R057S、右: R057A)

【製品情報サイト】

https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009840

 

【製品のお問い合せ先】 

テクニカルサポートラインまでお問い合わせください。

オンライン: https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php

電話: 077-565-6999(平日9時-17時)

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

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