タカラバイオ株式会社は、mRNAワクチンをはじめとするRNAベースの医薬品製造に適したGMPグレードのRNase~{(注1)}阻害剤「Recombinant RNase Inhibitor GMP grade」(以下、本試薬)を11月18日より発売します。
本製品はブタ肝臓由来のRNase inhibitorの変異体である当社既存製品「Recombinant RNase Inhibitor ver.2.0(製品コード:2315A/B)」のGMP~{(注2)}グレード~{(注3)}品です。本変異体は、ヒトやブタ組織由来の他のRNase inhibitorと同等の性能を保持しつつ、酵素の不活化を抑制する変異があることにより、安定した酵素活性が維持されます。この特性により、品質が重要となるmRNAワクチン製造など、今後需要が高まると見込まれる新たなモダリティ~{(注4)}の製造工程に使用することが可能です。本製品は、当社既存製品「Recombinant RNase Inhibitor, HQ(製品コード:2316A)」とほぼ同じ原材料と工程を用いてGMP管理施設にて製造しているため、mRNAワクチンなどの原薬の製造原料としての採用検討時、HQグレードからGMP グレードへの移行をスムーズに行うことが可能です。
本製品は、ICH Q7 GMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)およびPIC/S(医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム)に準拠してGMP管理施設で製造し、以下の品質項目を確認しています(一部要件を除く)。
- 不純物試験(エンドトキシン、混入微生物、酵素産生工程由来の核酸およびタンパク質)により品質を確認。
- 一次原料と最終組成液にヒトおよび動物由来原料、β-ラクタム系化合物を不使用。
- 各ヌクレアーゼフリー試験により、核酸分解活性がないことを確認。
当社は、これらmRNAワクチン製造用酵素製品のラインナップの充実を図り、本製品を含めmRNA合成関連酵素の開発を進めています。また、CDMO事業において、mRNAワクチンの重要原材料の自製化、プロセス開発、製造および品質試験の受託サービスまで幅広く提供し、新規モダリティであるmRNAワクチンの開発をワンストップで支援していきます。
(注1)RNase:RNAを分解する酵素です。RNaseの働きを阻害するRNase Inhibitorが存在する環境下では、RNAの分解が抑制され、RNAの安定性が向上します。
(注2)GMP:(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理及び品質管理の基準)安全で品質が担保された医薬品などを供給するため製造時の管理、遵守事項を定めた基準です。
(注3)GMPグレード:GMPに準拠した製造・品質管理のもと製造していることを指します。ただし、医薬品そのものではなく、製造原料としての使用を想定していることから、一部要件は自社基準を定めて管理しています
(注4)モダリティ:治療手段のことです。初期の医薬品では低分子化合物が主流でしたが、技術の進歩により、現在では遺伝子や細胞、抗体などの生体成分を用いた医薬品が新たな治療手段として開発されています。
【製品概要】
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製品名 |
製品コード |
容量 |
希望小売価格(税別) |
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Recombinant RNase Inhibitor GMP grade |
T2431S001 |
40 KU |
お問い合わせ |
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同上 |
T2431S010 |
400KU |
お問い合わせ |
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同上 |
T2431S100 |
4,000KU |
お問い合わせ |
【製品画像】
Recombinant RNase Inhibitor GMP grade
【製品情報サイト】
https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009782
【製品のお問い合せ先】
テクニカルサポートラインまでお問い合わせください。
オンライン: https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php
電話: 077-565-6999(平日9時-17時)
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970
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