タカラバイオ株式会社は、空間プロテオーム解析技術のリーディングカンパニーであるスタンダード・バイオツールズ株式会社(Standard BioTools K.K.)と提携し、同社の空間プロテオーム解析装置「Hyperion™ XTi」を用いた受託解析サービスの提供を、9月24日より開始します。

 

 当社はこれまで、独自の空間解析試薬Trekkerに加え、複数の先進的な空間トランスクリプトーム解析技術を用いた受託解析サービスを通じて、組織内の遺伝子発現を空間的に可視化するソリューションを提供してきました。今回新たに開始する受託解析サービスは、タンパク質レベルでの空間解析(空間プロテオーム解析)を提供するもので、当社の空間解析サービスの対象が遺伝子からタンパク質まで拡充します。

 

 Hyperion™ XTiは、Imaging Mass Cytometry™(IMC)技術により、タンパク質を金属標識抗体でラベルすることで、組織切片上の40種類以上のタンパク質発現を高感度かつ定量的に測定することが可能です。さらに本装置は、空間トランスクリプトーム解析と同じ切片を使用することができ、当社サービスにおいて遺伝子発現とタンパク質発現を空間的に統合した、空間マルチオミクス解析が実現できます。

 

 空間マルチオミクス解析は、がん研究や免疫学、創薬分野で急速に注目を集めている成長領域です。当社は、当該分野における競争力を一層高め、ライフサイエンス産業支援領域の成長を加速していきます。

 

<本サービスの特徴>

・空間マルチオミクス解析
 同一組織切片由来の空間トランスクリプトーム解析データと空間プロテオーム解析データの統合解析が可能。

・40種類以上のマーカーを同時解析
 組織切片における細胞間相互作用や微細構造を空間的に可視化。

 各研究分野に特化したプレデザインパネルやカタログ抗体を組み合わせることが可能。

・高い精度と幅広い定量域を持ったシングルセルイメージングを実現

 金属標識抗体を用いた独自技術により、自家蛍光の影響の無い、幅広いダイナミックレンジでタンパク質を正確に定量および可視化可能。

・FFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)組織切片・凍結組織切片に対応
 長期保存された臨床検体や既存のバイオバンク資源も活用可能。

・がん免疫・微小環境解析に強み
 TME(腫瘍微小環境)や免疫細胞の空間的配置の解析に最適。

 

 

【Hyperion XTiについて】

 Hyperion™ XTiは、Imaging Mass Cytometry™(IMC)技術を基盤にした、スタンダード・バイオツールズ株式会社のイメージング質量分析装置です。40種類以上のタンパク質マーカーを同時に検出でき、1μmの高解像度での可視化が可能です。

 従来の蛍光免疫染色法(Immunohistochemistry:IHC)では、スペクトルの重複や自家蛍光によるノイズが解析精度に影響していましたが、金属同位体標識抗体を用いたIMC技術により、それらの影響を排除し、真のシグナルのみを高精度に検出可能です。さらに、非常に広いダイナミックレンジを有しているため、IHCでは困難だった微細な発現差異の空間的把握が可能となります。

 

 

【本サービスの詳細】

https://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009784

 

【お問い合わせ】

各種受託サービスお問い合わせ先

https://www.takara-bio.co.jp/research/support/jutaku/index.php

 

 

<語句説明>

プロテオーム解析

 生体中に含まれるすべてのタンパク質を対象に、タンパク質の同定・定量、個々のタンパク質の機能やタンパク質同士の関係性を網羅的に解明する解析。

 

トランスクリプトーム解析

 生体中で発現しているすべての遺伝子を対象に、発現遺伝子の同定やその定量、個々の機能や相互関係性を網羅的に解明する解析。

 

Imaging Mass Cytometry™(IMC)技術

 金属同位体で標識した抗体と、レーザーアブレーション(レーザーで微細に削り取る処理)およびCyTOF(Cytometry by Time-Of-Flight)と呼ばれる質量分析技術を組み合わせて、組織切片中のタンパク質を高感度かつ定量的に検出する空間プロテオーム技術

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

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