タカラバイオ株式会社は、Wilson Wolf Manufacturing, LLC(本社:米国ミネソタ州)と、同社が開発・製造する細胞培養用システム「G-Rex®」シリーズを含む製品群の日本国内における販売契約を締結し、9月17日より販売開始します。

 

 Wilson Wolf社のG-Rex®シリーズは、免疫細胞(T細胞、NK細胞、造血幹細胞など)の大量培養に適した容器で、底面にガス透過性膜を備えることで酸素供給と栄養供給を効率化し、高密度かつ安定した細胞増殖を実現します。培地交換が不要となるほか、撹拌や専用機器を必要とせず、インキュベーターに設置するだけで使用できる簡便さも特長です。さらに、閉鎖系での細胞加工にも対応可能であり、専用の半自動回収システムを用いることで、培養環境を外部に曝露することなく、培地の除去や細胞の回収を安全かつ効率的に行うことができます。

 

 G-Rex®は、研究開発から商業生産まで幅広く対応可能なスケーラブルなプラットフォームとして、世界中の細胞治療関連施設で導入が進んでいます。Wilson Wolf社によると、米国では、遺伝子・細胞治療の臨床試験を実施する企業の約50%がG-Rex®を使用しており、その割合は年々増加しています。例えば、8,000万個の細胞を製造する手順が確立されていれば、G-Rex®のサイズを変更するだけで最大5,000億個までスケールアップすることが可能です。これにより、小型のG-Rex®を用いて臨床用製造プロトコルを確立し、そのまま商業生産に移行することが可能となり、時間とコストの大幅な削減につながります。こうした柔軟性と効率性から、G-Rex®は遺伝子・細胞治療の開発および臨床製造における採用が進んでいます。

 

 本契約により、タカラバイオは、国内唯一の正規代理店として研究機関や製薬企業等に対して、G-Rex®シリーズを含むWilson Wolf社製品を販売します。また、Wilson Wolf社のパートナー企業であるScaleReady社およびCellReady社と連携した技術的サポートも併せて提供しながら国内展開を進め、より実用的で信頼性の高い細胞製造プロセスの構築を支援します。

 

 G-Rex®シリーズは、RetroNectin®法との組み合わせにより、簡便かつ高効率なCAR-T製造が可能となり、また、当社独自の短期間CAR-T細胞製造法「Spo-T®法」への応用も可能です。すでに、当社にて取得した有用なデータを両社間で共有し、販促に活用する協力関係を構築しています。詳細は以下の技術情報ページをご参照ください。

 

  G-Rex®とRetroNectin®による簡便なCAR-T製法開発と短期間製造法(Spo-T®法)への応用:Application|タカラバイオ株式会社
 

 

 当社は今後も、技術革新と製品ラインアップの拡充を通じて、再生・細胞医療・遺伝子治療の実用化に貢献してまいります。

 

※本製品は医療機器ではありません。

 

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Tel 077-565-6970

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