タカラバイオ株式会社は、 空間情報~{(注1)}を保持したまま、シングルセルからさらに微小なサブセルラーレベルの分解能~{(注2)}で遺伝子発現を解析するシングルセル空間解析サービスを提供してきましたが、このたび、10x Genomics社のXenium In Situ (ゼニウム イン サイチュ、以下、本システム）を用いた受託サービスを加えることで、サービスの充実を図ります。
生体内中のRNAを網羅的に解析する遺伝子発現解析は、疾患のメカニズムや薬剤投与の反応性、バイオマーカー探索において重要な解析手法として広く研究に利用されています。一方で、これらを正確に理解するには、細胞レベルでの遺伝子発現や、細胞の空間的な位置情報を加味して評価することが有用です。
当社は、これまでゲノム・トランスクリプトーム・プロテオームなどさまざまなオミックス解析を、サンプル調製から情報解析までトータルでサポートする受託サービスを展開してきました。またシングルセル解析・空間解析においても最先端の装置を導入しサービスを展開しています。そこに本システムを用いたサービスを加えることで、よりお客様の目的に合致した解析を提供していきます。
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サービス名 |
シングルセル空間解析 |
空間トランスクリプトーム解析 |
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使用機器 |
Xenium In Situ （本システム、10x Genomics社） |
CosMx SMI （NanoString - Bruker Company 社） |
Visium HD （10x Genomics社） |
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解析領域 ※当社受託仕様 |
最大234.5mm2 |
標準12.5mm2 |
最大42.25mm2 |
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遺伝子発現解析 ※ヒトの場合 |
約5,000遺伝子 カスタム対応（最大480遺伝子） |
約6,000遺伝子 カスタム対応（最大480遺伝子） |
全遺伝子（約20,000遺伝子） |
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タンパク質発現解析 |
― |
64タンパク質 |
― |
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解像度 |
サブセルラーレベル（200 nm） |
サブセルラーレベル（50 nm） |
シングルセルスケール（2x2µmスポット） |
【本サービスの詳細】
シングルセル空間解析
https://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009579
【お問い合わせ】
各種受託サービスお問い合わせ
https://www.takara-bio.co.jp/research/support/jutaku/index.php
【10x Genomics社のXenium In Situについて】
専用スライドグラス上の組織切片に対して、最大5,000遺伝子の発現情報を取得し、細胞内での局在情報を含めて解析することが可能です~{(注3)}。
また、複数の組織切片を同時に解析できるスループット性や、発現量の低い遺伝子も検出可能な高感度検出力などの特徴があります。
・Xenium In Situの解析例
ヒト肺組織をXenium Prime 5Kパネルで解析した結果例。
核や細胞膜、細胞質を染色することで、より正確なセルセグメンテーションを実現した。（図A, B, C）
遺伝子発現情報によって細胞をクラスタリングした。（図D, E）
検出された遺伝子の局在をドットで示した。（図E）※代表して3遺伝子を表示。
・Xenium Analyzer（Xenium in situの解析装置）
【語句説明】
（注１）空間情報
ある分子が組織中のどの場所に存在していたかという情報。組織学的画像と遺伝子の発現情報を組み合わせて解析することを空間解析と呼ぶ。
（注２）サブセルラーレベルの分解能
遺伝子の転写産物が細胞内のどの場所に局在しているかを識別できること。シングルセルレベルよりもさらに高精度な解析技術が必要とされる。
（注３）解析原理について
5’末端側と3’末端側に標的となる遺伝子の相補配列を、またその間に蛍光物資が結合する配列を持つ南京錠型のプローブ（Padlock probe）を標的mRNA配列にハイブリダイズさせる(①②）。Padlock probeの5’末端側と3’末端側がともに正しくハイブリダイズすると（③）、その両端をライゲーションすることが可能になり、環状のプローブを形成させる。環状プローブをRolling circle amplificationによって何度も増幅することで、蛍光物資が結合する配列を多数持つDNA配列を得る（④）。これを蛍光によって検出する。
③の工程によって高い特異性を実現し、④の工程によって高い感度を実現できるのが本システムの特徴です。
この件に関するお問い合わせ先 ： タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970
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