タカラバイオ株式会社は、細菌叢解析などに用いる内部標準(注1)DNAとして16S DNA Quantitative Standard for Microbiome(以下、本製品)を開発、7月30日に新発売します。

 また本成果を第97回日本細菌学会総会(2024年8月7日-9日)で発表します。(注2)

 

 近年、細菌叢、例えばヒトの腸内細菌叢(腸内フローラ)が、さまざまな疾患の診断用マーカーや創薬ターゲットとして注目を集めています。代表的な解析手法として16S rRNA細菌叢解析(注3)がありますが、試料に含まれる菌の絶対定量が困難であり、研究・検査機関間のデータの比較互換性の低さや、解析結果の信頼性や再現性の担保が難しいという課題があります。そのため、解析方法の標準化技術が必要とされています。

 本製品は、16S rRNA細菌叢解析において対象試料に添加して使用できる内部標準物質で、この課題を解決可能とする以下の特徴を持ちます。

 

  • 自然界に存在しない12種類の人工核酸配列が混合された16S rRNA細菌叢解析向けの内部標準DNA
  • 本製品を試料に添加して16S rRNA細菌叢解析を行うことにより、16S rRNA遺伝子のコピー数を菌種ごとに絶対定量することが可能
  • 異なる測定試料間における菌量比較や、試験ごとの精度管理(注4)に用いることが可能

 

 なお、本製品は国立研究開発法人産業技術総合研究所の研究成果(注5)を活用して開発しました。

当社は、基礎研究から産業応用まで、幅広い用途に応じた遺伝子解析・検査分野の製品開発・提供を通じ、今後もバイオ産業の一層の発展を支援します。

 

 

(注1)存在量が既知である物質を試料に加えることにより、その物質量を元に測定対象物質の量を計算する方法を内部標準法、添加する物質を内部標準あるいは内部標準物質と呼ぶ。

(注2)第97回日本細菌学会総会(https://aeplan.jp/jsb2024/)(番号:P1-025, DP2-13-05)

(注3)多くの細菌および一部の古細菌が有する16SrRNA遺伝子領域を、保存領域に設計されたプライマーで一斉にPCR増幅したアンプリコンをNGS等でシーケンスし、菌種ごとに配列が異なる可変領域の配列に基づき検体に含まれる菌種の同定を行う解析。16SrRNA遺伝子領域は1細胞当たりのコピー数が多いため微量の菌からの検出にも有用である一方、一般には菌の相対比に基づく解析とされる。

(注4)解析過程において生じるバイアスを正しく評価すること。試料調製法や実験者、装置などが異なる場合に再現性を評価するためには必須の工程であり、信頼性の高い結果にもつながる。

(注5)Nucleic Acids Res. 2017 Feb 28; 45(4): e23. (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5389483/)

 

【製品概要】 ※ 本製品製品は研究用です

製品名

製品コード

容量

希望小売価格(税別)

16S DNA Quantitative Standard for Microbiome

NN0002

200回

100,000円

【製品に関するお問い合わせ先】 

テクニカルサポートライン

 オンライン:https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php

 電話:077-565-6999(平日9時-17時)

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

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