タカラバイオ株式会社は、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン開発に適した研究用試薬「Faustovirus Capping Enzyme (S17)」(ファウストウイルス キャッピング エンザイム:以下、本試薬)を2月27日より発売します。
mRNAワクチンは、新型コロナウイルス感染症の予防だけでなく、がん治療などにも有効なモダリティとされ、広く研究が行われています。一般的にmRNAワクチンを細胞内で機能させるためには、mRNA末端にキャップ構造~{(注1)}といわれる修飾が必要です。
本試薬はmRNAにキャップ構造を付加する酵素で、当社の従来の酵素(Vaccinia Capping Enzyme:ワクシニア キャッピング エンザイム)に比べ幅広い温度帯(15~55℃)で高いキャッピング効率が維持されるため、目的とするmRNAに最適な条件でキャッピング反応を行なうことができます。
当社では、mRNAワクチン研究用試薬のほか、ワクチン製造工程のプロセス開発時等に用いられるHigh Quality(HQ)グレード品~{(注2)}やワクチン製造の原材料となるGMPグレード品~{(注3)}など、各開発段階に適した酵素開発を行っており、本試薬についても今後HQグレード品を発売する予定です。
また、CDMOとして、mRNAワクチンの開発から製造、品質試験までワンストップで受託サービスを幅広く提供し、新規モダリティであるmRNAワクチンの普及を支援していきます。
(注1) キャップ構造
真核生物のmRNAの5’末端に見られる修飾で、RNAの安定性や翻訳活性を調節している構造。
(注2) HQグレード
GMPグレード製品とほぼ同じ原材料と工程を用いて製造され(但し、準拠する規格、製造設備は異なる)、同じ品質試験を実施するなど、ワクチン製造工程のプロセス開発などに適している。当社のHQグレート製品では具体的には以下の品質項目を確認している。
1.不純物試験(エンドトキシン、混入微生物、酵素産生工程由来の核酸およびタンパク質)により品質を確認。
2.最終組成液に生物由来原材料およびβラクタム(抗生物質)を含まないことを確認。
3.各種ヌクレアーゼ試験により、核酸分解活性がないことを確認。
(注3) GMPグレード
PIC/S(医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム)のGMPガイドラインに準拠し、製造および品質管理を実施。医薬品の原薬製造に適している。
【製品概要】 ※本試薬は研究用試薬です
製品名 |
製品コード |
容量 |
希望小売価格 |
---|
Faustovirus Capping Enzyme (S17) |
2480A |
500 U |
16,000円 |
同上 |
2480B |
2,000 U |
52,000円 |
【製品画像】
Faustovirus Capping Enzyme (S17)
※画像はイメージです。製品の仕様、外観は
予告なしに変更する場合があります。
【製品情報サイト】
https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009678
【製品のお問い合せ先】
テクニカルサポートライン
オンライン:https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php
電話: 077-565-6999(平日9時-17時)
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970
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