タカラバイオ株式会社は、このたび、株式会社ユー・メディコ(以下、ユー・メディコ社)と遺伝子治療薬の品質試験分野における業務提携契約を締結しました。当社は、今後、ユー・メディコ社の先端的な分析技術を活用し、当社の分析技術やSGS Vitrology社~{(注1)}の「ウイルス安全性試験」とも組み合わせた広範なウイルスベクターの特性解析を提供するなど、遺伝子治療薬の品質試験受託サービスを拡充します。

 

 ユー・メディコ社は大阪大学大学院工学研究科・内山進教授が創立し、CSO(チーフサイエンティフィックオフィサー)を務めるCRO(Contract Research Organization:医薬品開発受託機関)です。抗体などのバイオ医薬品や遺伝子治療薬を対象とした高品質な分析と製剤処方開発サービスを、国内外のクライアントに提供しています。

 一方、当社は再生・細胞医療・遺伝子治療分野のCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品開発製造受託機関)として、国内最大級の製造施設を有し、国内外の製薬企業やバイオベンチャーに遺伝子治療薬の開発・製造・品質試験のワンストップサービス~{(注2)}を提供しています。

 

 遺伝子治療で汎用されるウイルスベクターは、治療用遺伝子を目的の臓器や細胞に送達する重要な役割を担っており、治療薬開発とともに、その生物物理学的特性解析による品質試験も治療薬の品質管理上、非常に重要となっています。

 当社は、本提携により、ユー・メディコ社が保有する「超遠心分析(AUC)」、「質量分析」、「粒子・凝集体解析」などの先端的なウイルスベクターの品質試験を提供し、遺伝子治療薬開発支援サービスをさらに充実させます。

 

【提携による品質試験例】

品質特性

項目

有効性成分含量

ベクターゲノム濃度

粒子濃度

遺伝子導入効率

同一性

タンパク質一次構造

ベクターゲノム

ゲノム完全性

純度

VP比

空/完全粒子比率

翻訳後修飾

【株式会社ユー・メディコの概要】

名 称

株式会社ユー・メディコ

所在地

大阪府吹田市山田丘2-1 大阪大学フォトニクスセンター502

代表者

代表取締役 福原 彩乃

資本金

30,000,000円

設 立

2006年8月

URL

https://u-medico.co.jp/

事業内容

ユー・メディコは、2006年に大阪大学からスピンアウトしたCROであり、科学に基づいた分析・研究サービスを提供します。CSOである内山進教授が所属する大阪大学では、高品質なバイオ医薬品のための物性研究や、世界最先端の遺伝子治療ウイルスベクターの品質分析、製造等の技術開発を実施しています。ユー・メディコでは、大阪大学の研究成果をもとに分析法開発を行い、主にバイオ医薬品と遺伝子治療薬を対象に、高品質な分析サービスを提供しています。ユー・メディコは、世界最先端の科学技術を活用し、グローバルヘルスケアに貢献します。

【語句説明】

(注1)SGS Vitrology社

バイオ医薬品を中心とした品質試験をグローバルにサービス提供し、当社と長年にわたり業務提携を行っています。英国当局によるGLP/GMP認証を受け、ICH Q5Aに対応した各種ウイルス安全性試験およびICH Q5Dに対応したセルバンクの特性解析など包括的なバイオセーフティサービスを提供しています。

 

(注2)ワンストップサービス

当社は、遺伝子・細胞プロセッシングセンター(大規模GMP/GCTP対応施設)において、再生医療等製品に特化した各種セルバンク、DNA/RNAワクチン、遺伝子治療用ウイルスベクターおよび細胞製剤を、GMP/GCTPに準拠して製造しています。また、同施設内で品質試験や特性解析を行うなど、日本国内最大規模の“ワンストップ GMP 製造サービス”を提供し、臨床開発から上市後の商用生産までトータルでサポートします。詳細はウェブページ(遺伝子・細胞プロセッシングセンター)をご覧ください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

当資料取り扱い上の注意点
資料中の当社による現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決などがありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。