タカラバイオ株式会社は、等温核酸増幅法により遺伝子を検出する研究用試薬「BcaBEST™ Isothermal FluorDetect Kit (DNA/RNA)」(以下、本試薬)を本年12月18日より販売します。
感染症や食中毒の原因となるウイルスや細菌の検査には、微量の遺伝子を酵素反応により選択的に増幅して検出する方法が広く用いられており、PCR法がよく知られています。
PCR法は、精密な温度制御が可能な専用装置を必要とし~{(注1)}、温度の昇降サイクルに時間を要するため、一般的に結果を得るまでに1時間以上を要します。一方、一定温度で核酸を増やすことのできる等温核酸増幅法は、複雑な温度制御が不要なため、簡単な装置で実施可能で15~30分間で結果が得られます。このため、クリニック、食品検査、野外検査といった現場検査(オンサイト検査)において利用されています~{(注2)}。
本試薬は、等温増幅活性の強いDNA合成酵素「BcaBEST™ DNA Polymerase ver.2.0」と高性能逆転写酵素「PrimeScript Reverse Transcriptase」を配合した、DNAとRNAのいずれの核酸サンプルからも増幅・検出が可能な基本試薬です~{(注3)}。本試薬には蛍光試薬が含まれており、本試薬、プライマーと核酸サンプルを混合し一定温度(60~65℃)で反応させ、蛍光を測定することにより約20分間で目的遺伝子を特異的に検出できます。迅速簡便な等温増幅用酵素として、細菌・ウイルスの遺伝子検出や疾患の遺伝子解析などの研究において幅広く利用できます。
<本試薬の特長>
・反応時間は約20分と短時間
・DNAとRNAのいずれも検出可能
当社は、基礎研究から産業応用まで幅広い用途に応じた遺伝子解析・検査分野の製品開発・提供を通じ、遺伝子検査の普及に貢献していきます。
注1:PCR法では、[DNA変性・プライマーの結合・ポリメラーゼによる伸長]の3ステップを数十回繰り返すことにより特定領域のDNA量を指数関数的に増やします。この反応は専用装置を用いたステップごとの温度・時間の精密な制御が必要です。
注2:等温核酸増幅法は、専用のDNAポリメラーゼを使用して一定温度で遺伝子を増幅する方法で、遺伝子検査試薬や体外診断用医薬品として実用化されています。等温増幅法の利点は、PCR法のような精緻な温度制御が不要のため、検査装置の小型・簡易化が容易な点です。一方で、等温核酸増幅法による検出ではPCR法より検出精度が低い場合があります。
注3:本試薬は、酵素を含むマスターミックス溶液および蛍光検出用色素から成り、本試薬での遺伝子検出には、検出対象の遺伝子配列に対応した特異的プライマーを別途用意する必要があります。
【製品画像】
【製品概要】
製品名 |
製品コード |
容量 |
希望小売価格 |
---|
BcaBEST™ Isothermal FluorDetect Kit (DNA/RNA) |
RR385A |
100回 |
50,000円 |
同上 |
RR385B |
500回 |
200,000円 |
BcaBEST™ Isothermal FluorDetect Kit (DNA/RNA)
※製品の仕様、外観は予告なしに変更する場合があります。
【製品情報サイト】
https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009596
【製品のお問い合せ先】
テクニカルサポートライン
オンライン:https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php
電話: 077-565-6999(平日9時-17時)
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970