タカラバイオ株式会社は、本社地区(滋賀県草津市)の遺伝子・細胞プロセッシングセンター1号棟および2号棟を拠点として再生・細胞医療・遺伝子治療分野の開発・製造支援を行うCDMO事業を推進しています。
今般、遺伝子・細胞プロセッシングセンター2号棟の細胞加工エリアの施設整備が完了し、稼働しました。
細胞加工エリアの増強
近年実用化が進むCAR-T療法などで使用する遺伝子導入細胞の製造、再生医療で使用するiPS細胞や間葉系幹細胞のセルバンクや、細胞加工などを行う最新の施設が稼働しました。当社ではこれまで、国内最大級となる11室の細胞加工室を保有し、CDMO事業を行ってきましたが、このたび最新の設備を備えた製造室2室および充填室1室(以下、あわせて「新細胞加工室」)を増設しました。
新細胞加工室では、様々なモダリティ(注1)に適用可能な柔軟性を持ち、
- 最高レベルの無菌性保証
- 製造の自動化
- 大規模製造による生産性向上
など、様々な製造ニーズに対応可能な設計となっています。
新細胞加工室の特長
- アイソレーター(注2)(細胞加工用、充填用)の使用により、最高レベルの無菌性を保証する細胞加工を行います。
- 最新の自動培養装置との組み合わせにより、細胞加工の自動化が可能となります。
- 自家細胞に加え、他家細胞(注3)の大規模製造に対応します。
- デジタルツールとの併用により、製造の遠隔監視、記録の電子化、トレーサビリティを強化し、品質保証を行います。
- 隣接した品質試験エリアでの工程管理および品質試験を迅速に実施します。
当社は、再生・細胞医療・遺伝子治療分野におけるプロセス開発、治験製品製造に加え、商用生産までをフルサポートするCDMO事業を展開することにより、再生・細胞医療・遺伝子治療の社会実装に取り組んでいきます。
【主要整備】
A・B : 新しい細胞加工エリアに設置されたアイソレーター
A : ワークエリア3m 大型タイプ大量培養向けのアイソレーター
B : ワ-クエリア2m 自動培養装置との組み合わせや比較的小ロットの製造向けアイソレーター
C : 模擬アイソレーターを用いたトレーニング風景
D : 本社地区全景 ①遺伝子・細胞プロセッシングセンター1号棟、②同2号棟
【関連ニュースリリース】
多様なモダリティへの対応とサプライチェーンの整備を目的とした遺伝子・細胞プロセッシングセンターの実装化について(2021年11月9日)
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_21m1109_Au43eb27sT10nfJ.html
再生医療等製品の研究・製造施設(新棟)の稼働について(2020年1月21日)
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_129417t662l17p35179_210120.html
【CDMOサービスのご紹介】
https://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/index.php
【お問合せウェブサイト】
https://www.takara-bio.co.jp/research/support/jutaku/index.php
【語句説明】
(注1)モダリティ
治療手段のことです。初期の医薬品では低分子化合物が主流でしたが、技術の進歩により現在では遺伝子や細胞、抗体などの生体成分を用いた医薬品も登場しています。
(注2)アイソレーター
製品への汚染を防止する構造設備で、外部に対し解放部がなく、物品の導入部においても外部への隔絶が維持される無菌操作が可能な構造設備です。
(注3)自家細胞、他家細胞
再生・細胞医療・遺伝子治療は、患者本人の細胞である自家細胞を加工し本人に戻す形態の治療と、健康な細胞提供者(ドナー)から採取した細胞である他家細胞を培養したものを患者に投与する形態の治療が行われます。元になる細胞の違いにより、自家細胞、他家細胞と区別しています。
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970
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資料中の当社による現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決などがありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。