タカラバイオ株式会社は、mRNAワクチン開発用の研究用試薬として制限酵素「BspQ I」(ビーエスピーキュー ワン)および「Recombinant RNase Inhibitor ver.2.0」(リコンビナント アールエヌエース インヒビター) の2製品を本年10月31日より発売します。
mRNAワクチンは、新型コロナウイルス予防用ワクチンとして高い有用性が示され、新たな利用に向けた開発が進んでいます。一般にmRNAワクチンは、下図のように複数の酵素を用いて合成されます。効率的な開発のためには、開発段階から将来の商用生産を視野に入れ、酵素類を十分に検討することが重要です。
当社は、mRNAワクチン開発用の研究用試薬として、「T7 RNA Polymerase ver.2.0」(ティーセブンアールエヌエー ポリメラーゼ)、「Pyrophosphatase inorganic」(ピロホスファターゼ(インオーガニック))、「Vaccinia Capping Enzyme」(ワクシニア キャッピング エンザイム)、「mRNA Cap 2'-O-Methyltransferase」(メッセンジャーアールエヌエー キャップ 2' オー メチルトランスフェラーゼ )の4種類の酵素を発売しています。今回新たに2製品を追加することで、当社製品によるmRNAワクチンのワンストップ開発が可能となりました。
また、当社では、上記のワクチン開発用の研究用試薬のほか、ワクチン製造工程のプロセス開発時等に用いられるHigh Quality(HQ)グレードやワクチン製造の原材料となるGMPグレードなど、各開発段階に対応可能な酵素開発も日本国内で進めており、今年度中に順次発売していく予定です。
このほかに、mRNAワクチン開発・製造・品質試験受託サービスも提供しており、開発初期段階からプロセス開発、製造までをカバーすることで、新規モダリティであるmRNAワクチンの開発を支援していきます。
<製品の特長>
BspQ I
mRNA合成に使用する鋳型プラスミドを本製品の塩基配列特異的な制限酵素処理により、mRNA合成時に余分な配列の付加を防ぐことが可能です。合成したmRNAは、細胞内での高いタンパク質発現が期待できます。
Recombinant RNase Inhibitor ver.2.0
RNA分解を抑制する本製品は、従来品よりも反応液の酸化に対する耐性が向上しているため、mRNA合成の反応液に添加することで、反応液中のRNA分解酵素による合成mRNAの分解を抑制することが期待されます。
【製品概要】
製品名 |
製品コード |
容量 |
希望小売価格(税別) |
---|
BspQ I |
1227A |
50回 |
\10,000 |
Recombinant RNase Inhibitor ver.2.0 |
2315A |
5000 Units |
\16,000 |
【製品画像】
※写真はイメージです。製品の仕様、外観は予告なしに変更する場合があります。
【製品情報サイト】
BspQ I
https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009545
Recombinant RNase Inhibitor ver.2.0
https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009546
【製品のお問い合せ先】
テクニカルサポートラインまでお問い合わせください。
オンライン: https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php
電話: 077-565-6999(平日9時-17時)
【参考資料】
・キャップ構造
真核生物のmRNAの5’末端に見られる修飾構造で、タンパク質の翻訳活性に必要な構造です。
・mRNAワクチン開発用酵素シリーズ
【関連ニュースリリース】
「mRNAワクチン関連用試薬(2製品)を発売」(2022年8月23日)
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_22m0823Guen76ehGylp.html
「mRNAワクチン開発試薬を発売」(2022年3月7日)
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_22m0307dI39s82eLs08z.html
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970