タカラバイオ株式会社は、アデノウイルスの40型および41型を、一度のPCRにより同時に、1時間以内で迅速・簡便に検出できるリアルタイムPCR試薬(研究用:以下、本試薬)を本年8月2日に新発売し、同日より受注を開始します~{(注1)}。
アデノウイルスには100種類以上の型があり、その中でもアデノウイルス40型および41型は、主に感染性胃腸炎の原因となることが知られています~{(注2、3)}。通常、アデノウイルスの型判別には、PCRによるウイルスDNAの増幅と塩基配列解析を必要としますが~{(注3)}、本試薬ではリアルタイムPCRによってアデノウイルス40型および41型に特徴的な遺伝子配列を検出することにより、これら2種類の型を個別に検出・判別することが可能となると考えています。
2022年4月以降、小児の原因不明の急性肝炎症状を呈する患者の一部からアデノウイルスが検出されていることが世界各国で報告されており~{(注4)}、世界保健機関では、症例の原因特定のため、各国に対して症例報告を求めています。これを受けて日本国内においては、感染症サーベイランスおよび積極的疫学調査が開始されており~{(注5)}、本試薬がこのような疫学調査の一助となることが期待されます。
なお、本試薬の製品化にあたっては、群馬パース大学大学院 木村博一教授に監修いただきました。
当社は、基礎研究から産業応用まで、幅広い用途に応じた遺伝子解析・検査分野の製品開発・提供を通じ、バイオ産業支援事業のさらなる拡大を目指しています。
(注1)本試薬は研究用試薬です。詳細は製品情報サイトをご参照ください。出荷開始日は9月5日を予定しています。
(注2)複数国で報告されている小児の急性肝炎について(第4報)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-lab/2521-cepr/11262-hepatitis-children-0704.html
(注3)「病原体検出・検査マニュアル 腸管アデノウイルス(感染性胃腸炎)令和4(2022)年5月 Ver.2」(国立感染症研究所発行)
https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/AdenoVirusDiarrhea20220518.pdf
(注4)複数国における小児の原因不明の重症急性肝炎(WHO2022年7月12日)(厚生労働省検疫所FORTH)
https://www.forth.go.jp/topics/20220715_00002.html
(注5)小児の原因不明の急性肝炎について(令和4年7月1日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26578.html
【製品概要】
製品名 |
製品コード |
容量 |
希望小売価格(税別) |
---|
Adenovirus 40/41 qPCR Typing Kit |
RC410A |
100回 |
\200,000 |
Adenovirus 40/41 Positive Control DNA |
RC415A |
20回 |
\20,000 |
【製品画像】
【製品情報サイト】
https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009533
【製品のお問い合せ先】
テクニカルサポートラインまでお問い合わせください。
オンライン: https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php
電話: 077-565-6999(平日9時-17時)
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970