mRNAワクチン関連用試薬（２製品）を発売

　タカラバイオ株式会社は、mRNAワクチン開発用の研究用試薬、「Vaccinia Capping Enzyme」（ﾜｸｼﾆｱ ｷｬｯﾋﾟﾝｸﾞ ｴﾝｻﾞｲﾑ）および「mRNA Cap 2'-O-Methyltransferase」（ﾒｯｾﾝｼﾞｬｰ ｱｰﾙｴﾇｴｰ ｷｬｯﾌﾟ 2' ｵｰ ﾒﾁﾙﾄﾗﾝｽﾌｪﾗｰｾﾞ）の2製品を本年8月29日より発売します。

　mRNAワクチンは、新型コロナウイルスに対するワクチンとして使われており、新しいモダリティとして注目されています。mRNAは、細胞内でタンパク質をつくる際の鋳型となる分子であり、mRNAを投与して体内で抗原（タンパク質）をつくることによりワクチン反応を誘導します。一般的にmRNA分子は、体内に投与すると免疫反応等により分解・排除される性質があります。そのため、ワクチンとして使用する場合には、それを回避するため、キャップ構造~{（注1）}やメチル化~{（注２）}といわれる修飾を施す必要があります。

　このたび発売する2製品は、mRNAを修飾する酵素で、mRNAワクチンの製造には必須となる材料です。

　すでに当社は、mRNAワクチン開発用の研究試薬「T7 RNA Polymerase ver.2.0」（ﾃｨｰｾﾌﾞﾝ ｱｰﾙｴﾇｴｰ ﾎﾟﾘﾒﾗｰｾﾞ）および「Pyrophosphatase (inorganic)」（ﾋﾟﾛﾎｽﾌｧﾀｰｾﾞ(ｲﾝｵｰｶﾞﾆｯｸ)）を発売中で、今回の2製品はこの品揃えを拡充するものです~{（注３）}。

＜製品の特長＞

◆　Vaccinia Capping Enzyme

ワクシニアウイルス由来のRNAキャップ化酵素です。真核生物のキャップ構造は、mRNAの安定化、核外輸送、および翻訳において重要となります。

◆　mRNA Cap 2’-O-Methyltransferase

ワクシニアウイルス由来のメチル化酵素です。投与したmRNAが生体内で自然免疫応答を回避し、翻訳を促進する役割を担っています。

　当社では、ワクチン開発研究用酵素のほか、ワクチン製造工程のプロセス開発時等に用いられるHigh Quality（HQ）グレードやワクチン製造の原材料となるGMPグレードなど、各開発段階に対応可能な酵素開発も進めており、今年度中に順次発売していく予定です。

　また、CDMOとしてmRNAワクチン開発・製造・品質試験受託サービスも提供しており、開発研究用試薬からプロセス開発用HQグレード酵素、製造用GMPグレード酵素、そして開発・製造・品質試験受託までをカバーすることで、新規モダリティであるmRNAワクチンの普及をワンストップで支援していきます。

【製品概要】

（注３）　mRNAワクチン開発用試薬シリーズ（研究用試薬）