タカラバイオ株式会社は、公衆衛生研究者や疾患原因を解明する研究者向けに、臨床検体などの試料中に含まれるウイルスを網羅的に検出する「Virome(ウイルス叢)~{(注1)}の網羅的解析サービス」(本サービス)を本日より開始します~{※}。
公衆衛生研究や疾患原因解明などを対象とするウイルス探索的研究では、試料中のウイルスを網羅的に検出し解析する機会が増えています。一般に、特定のウイルス検出法としては、PCR法や抗体法が知られていますが、網羅的解析にあたっては、次世代シーケンサー(NGS)~{(注2)}を用い、試料中の遺伝子データを解読した後に、情報処理手法により遺伝子データベースと照合し、ウイルスを検出する方法が有効と考えられています。
本サービスでは、超微量のウイルスや宿主が混在する試料から、超微量遺伝子を扱う当社の独自技術である「SMART~{®}」や「PicoPLEX~{®}」を利用し、NGS解析用ライブラリーを調製します。また、当社と東北大学東北メディカル・メガバンク機構との共同研究により新たに開発した情報処理手法を利用し、ウイルスを網羅的に検出します。
本サービスは、公衆衛生や疾患原因研究の分野以外にも、新規バイオマーカー~{(注3)}探索や医薬品製造工程での品質管理など広い用途に利用されることが期待されます。
当社は、一細胞解析などの超微量遺伝子を扱う先端遺伝子研究から、国内最大級の解析キャパシティーを活用したヒト全ゲノム解析などの大型プロジェクトまで、遺伝子、ゲノム研究を広くサポートしていきます。
<本サービスの特長>
- DNAウイルス、RNAウイルスが混在したピコ・グラムオーダ(1兆分の1グラム)の試料からNGS解析用ライブラリーの作製が可能
- NGSシーケンスデータからヒト由来データを厳密に除去し、試料中のウイルス種を網羅的検出することが可能
- 一般的なNGS解析で得られたヒトシーケンスデータにも適用可能、ヒトゲノム配列中に挿入されたウイルス種の同定、ゲノム挿入位置情報を検出可能
※本サービスは研究を目的としたサービスです。
【本サービスの詳細】
https://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009530
【お問い合わせウェブサイト 】
https://www.takara-bio.co.jp/research/support/jutaku/index.php
【語句説明】
(注1)Virome(ウイルス叢)
生体組織や環境などに存在するウイルスの総体のこと。ヒト生体組織中のViromeは、感染症や疾患バイオマーカー探索として近年研究が盛んに行われています。
(注2)次世代シーケンサー(NGS)
数億個の塩基配列データを並列に大量取得することができる塩基配列解読装置。大量の塩基配列データを解読できるため、ヒトゲノム解析や癌などの疾病の原因解明や診断など多目的に使用されています。
(注3)バイオマーカー
疾患の存在や進行状態を反映した生体分子を指します。
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970