タカラバイオ株式会社と東京大学医学部附属病院は、2022年7月1日より社会連携講座「細胞組織コミュニケーション講座」(山下 潤特任教授)を設置し、核酸・タンパク質の送達方法として注目されている細胞外小胞に関する共同研究を開始しました。
細胞外小胞は、細胞から分泌される小胞の総称で、エクソソーム、マイクロベシクル等が含まれます。分泌された細胞外小胞には元の細胞に由来するmRNA等の核酸やタンパク質が含まれており、別の細胞に取り込まれた際に、元の細胞からの情報を伝えることが知られています(図A)。
近年、この性質を利用し、特定の細胞より作製した細胞外小胞そのものや、細胞外小胞を核酸等の運搬ツールとして用いる治療法の開発が行われています。
当社は、遺伝子を目的の細胞に導入するウイルスベクター製造技術、新型コロナウイルスワクチンとしても使用されているmRNAやプラスミドDNA製造技術、遺伝子導入T細胞等の細胞製造技術を保有しており、これらを活用して、製薬企業やバイオベンチャー向けに遺伝子治療薬などの再生医療等製品の開発や製造を支援するCDMO事業を進めています。本共同研究を通じ当社は、新たなモダリティ(治療手段)として細胞外小胞の開発に取り組むことで、今後、当社が保有する技術とのシナジーを生み出していきます(図B)。
当社は、新モダリティを継続的に創出し、革新的なバイオ技術の開発を通じて人々の健康に貢献していきます。
【設置講座の概要】
名 称 |
東京大学大学院医学系研究科「細胞組織コミュニケーション講座」 |
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期 間 |
2022年7月1日~2025年6月30日(3年間(予定)) |
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この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970