タカラバイオ株式会社は、ヒトゲノム研究者向け新サービスとして日本人のゲノム情報を用いたゲノム変異検出解析サービス(本サービス)を本日より開始します。これまでは、「国際基準ヒトゲノム配列」と比較した変異検出を行っていましたが、本サービスでは、「日本人基準ヒトゲノム配列」との比較により、日本人固有の変異を高精度に検出することが可能となりました。

 

 当社は、国内最大規模の次世代シーケンサーを擁し、年間数万検体のヒト全ゲノムシーケンス受託解析を実施しています。次世代シーケンサーによって得たヒトゲノムデータから、疾患や集団に特異的な変異を検出するためには、解析目的に応じた適切な基準ヒトゲノム配列と比較することが必要です。現在は、国際的な学術組織Genome Reference Consortiumが発表している「国際基準ヒトゲノム配列・GRCh38~{*1}」との比較が一般的ですが、日本人集団とは異なるゲノム情報を多く含むため、「日本人基準ヒトゲノム配列」との比較が待望されていました。

 

 本サービスでは、東北大学東北メディカル・メガバンク機構が作成した「日本人基準ゲノム配列・JG2~{*2}」や「日本人全ゲノムリファレンスパネル~{*3}」を使用し、集団間の変異をできる限り除外し、より精度の高い変異検出データを提供します。

 

 当社は国内外の先端ゲノム研究機関の成果と連動した各種遺伝子解析サービスを展開しています。それにより最新の先端ゲノム研究や遺伝子研究をサポートしてまいります。

 

 

 

 

(注)本サービスは研究を目的としたサービスです

 

【本サービスの詳細】

下記ウェブサイトをご参照ください。

https://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009520

 

【本サービスに関するお問合せ】

受託サービスお問い合せウェブサイト 

https://www.takara-bio.co.jp/research/support/jutaku/index.php

 

 

 

*1 国際基準ヒトゲノム配列・GRCh38

国際的な学術組織Genome Reference Consortiumが継続的に改訂を行っているヒトゲノム配列。主に欧米の複数のヒトゲノムを読むことで構築されている。

事実上、ヒトゲノムのデファクトスタンダードの塩基配列として全世界のヒトゲノム研究に利用されている。

 

*2 日本人基準ゲノム配列(JG2)

東北大学東北メディカル・メガバンク機構により開発された日本人基準ゲノム配列。

(参考文献)Takayamaら Nat Communication (2021). doi:10.1038/s41467-020-20146-8.

 

*3 全ゲノムリファレンスパネル(14KJPN)

東北大学東北メディカル・メガバンク機構により開発された日本人ゲノム配列の頻度情報パネル。

(参考文献)Tadakaら Human Genome Variation (2019). doi: 10.1038/s41439-019-0059-5.

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970