タカラバイオ株式会社は、従来製品よりも操作性を向上させた検便検査用PCRキット「TaKaRa腸管系病原細菌遺伝子検出キット(4波長)」(以下、「本製品」)を、本年10月5日より受注開始します~{(注1)}

 

 調理現場における衛生管理の一環として、厚生労働省より示された「大量調理施設衛生管理マニュアル」~{(注2)}では、食中毒の予防を目的とし、主な食中毒原因菌である腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌、赤痢菌など~{(注3)}を検査対象として、調理従事者等に対して月1回以上の検便検査を実施することが求められています。検便検査では、一度に多検体を試験する必要があることから、従来の培養検査で課題となっていた手間とコストを削減するため、培養検査の前に行うスクリーニングとして、リアルタイムPCR検査の普及が進んでいます~{(注4)}

 

 当社においては、リアルタイムPCR検査のための腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌、赤痢菌の三菌種を同時測定できる検査キット、TaKaRa腸管系病原細菌遺伝子検出キット (Probe検出用)(製品コードRR165A)をすでに販売しています。

 従来の製品では、前もって検便検体の熱処理と遠心分離操作(合わせて約15分)を実施する必要がありましたが、本製品では、検便検体を添付の前処理液と混合し5分間静置するだけとし、操作性の大幅な向上と検査時間の短縮を実現しました(図)。また、前処理液が着色されているため、検査現場において、検体の入れ忘れを防止することができます。

 

 当社はPCRの産業分野への展開の一環として、検査会社向けに、細菌やウイルスの検出キットを数多く販売しています。本製品により

検便検査の迅速・効率化を実現することで、食品衛生分野におけるPCRの利用拡大を通じ、人々の健康に貢献してまいります。

 

【(図)本製品の操作概要】

【製品概要】

製品名

製品コード

容量

希望小売価格(税別)

TaKaRa腸管系病原細菌遺伝子検出キット(4波長)

RC140A

200

168,000円

 

【製品画像】

TaKaRa腸管系病原細菌遺伝子検出キット(4波長)

(注1)出荷開始日は10月13日を予定しています。なお、Thermal Cycler Dice Real Time Systemシリーズに対応する、TaKaRa腸管系病原細菌遺伝子検出キット(3波長)も同時に発売します。

 

(注2)厚生労働省より「大量調理施設衛生管理マニュアル」(平成9年3月24日付 衛食第85号別添 最終改正:平成29年6月16日付 生食発0616第1号)として通知されています。

 

(注3)腸管系病原細菌とは、腹痛や下痢などの病原菌で、腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌、赤痢菌の他、チフス菌やセレウス菌などがあります。従業員の健康管理や集団食中毒の予防のために、腸管系病原細菌の保菌者を調べるための検査が広く行われています。

 

(注4)培養検査とは、微生物を人工的な環境下で育てる方法を指し、細菌を寒天培地に播いて適当な温度で培養するとコロニーと呼ばれる菌の固まりを目視で確認できますが、大量なシャーレの取り扱いや廃棄コスト、所要時間等が課題となっていました。リアルタイムPCR検査では、50検体分の検便懸濁液を予めプール(混合)して試験し、陽性と判定された場合は、そのプール検体に含まれる大元の検便検体に対し、それぞれ個別に培養法による検査を行い、最終判定を行います。

【製品のお問い合せ先】 

 

テクニカルサポートラインまでお問い合わせください。

オンライン: https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php

電話: 077-565-6999(平日9時-17時)

 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970