タカラバイオ株式会社は、新型コロナウイルスのラムダ株等に特徴的なL452Q変異およびF490S変異~{(注1)}を特異的に検出するリアルタイムPCR試薬(以下、本試薬~{(注2)})を、本年8月20日より受注開始します。

 

 本試薬は、既に発売している変異検出用試薬シリーズと同様に、RNAを精製することなくダイレクトPCRが可能で、コアキット(PCR酵素ミックスと前処理試薬のセット)と組み合わせて使用します。また、反応確認のための陽性コントロールも発売します。

新型コロナウイルスには、ラムダ株~{(注3)}を含む多くの変異株が報告されており、本試薬は、既に販売している変異検出試薬とともに用いることで、各種変異株の推定や新型コロナウイルス感染の疫学調査・研究に役立つものと考えられます(下表参照)。

 

 当社は、今後とも、当社が保有するPCR技術、遺伝子工学技術を通して、新型コロナウイルス感染症対策に貢献してまいります。

 

 

 

(注1) F490S変異は、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の490番目のアミノ酸が、野生型ではフェニルアラニン(F)であるところ、セリン(S)に変異したものです。

    また、L452R変異・L452Q変異は、スパイクタンパク質の452番目のアミノ酸が、野生型ではロイシン(L)であるところ、アルギニン(R)またはグルタミン(Q)に変異

    したものです。

 

(注2) 本試薬は研究用試薬です。体外診断用医薬品ではなく、保険適用されるものではありません。詳細は製品情報サイトをご参照ください。出荷開始日は9月6日を予定しています。

    なお、本試薬は、群馬パース大学大学院 木村博一教授との共同研究を通じて製品化しました。

 

(注3) ラムダ株はペルーで初めて報告された変異株で、WHOにより注目すべき変異株(Variants of Interest; VOI) に分類されています(2021年8月19日時点)。

 

【新型コロナウイルス変異型検出用試薬(ダイレクト)ラインナップ】

 

*    8月19日時点で報告されている主な変異株および変異を記載しています。記載の変異は、対応する代表的なGISAID Accession IDでの配列を参照し抽出したものです。

 

**  表中の数字はスパイクタンパク質配列のアミノ酸の位置、アルファベット記号はアミノ酸を表します。N:アスパラギン、Y;チロシン、E:グルタミン酸、K:リジン、

   Q:グルタミン、L:ロイシン、R:アルギニン、T:スレオニン、F:フェニルアラニン、S:セリン

 

*** 当該製品では、本変異は検出されません。

 

 

【製品概要】

製品名

製品コード

容量

希望小売価格

(税別)

Primer/Probe L452R/L452Q (SARS-CoV-2)

RC343A

100回

20,000円

Primer/Probe F490S (SARS-CoV-2)

RC348A

100回

10,000円

 

【製品画像】

Primer/Probe L452R/L452Q (SARS-CoV-2)                 Primer/Probe F490S (SARS-CoV-2)

【製品のお問い合せ先】 

テクニカルサポートラインまでお問い合わせください。

オンライン: https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php

電話: 077-565-6999(平日9時-17時)

 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970