タカラバイオ株式会社は、生菌遺伝子検査の検体前処理に用いる光照射装置~{(注1)}をリニューアルし、「LED Crosslinker 30」(以下、本製品)として本年7月1日より販売します。
PCRによる細菌の遺伝子検査は、迅速かつ高感度に検出できるという特長がある反面、その細菌が死んでいても検出してしまうという欠点があります。その欠点を補う方法が、生菌遺伝子検査法(EMA-qPCR法)で、検体にEMA(Ethidium monoazide)~{(注2)}を加えてから可視光を照射することによって死菌の遺伝子が破壊され、PCRで増幅されなくなることを利用し、生菌の遺伝子だけを検出することができるようになります。
生菌遺伝子検査法では約2日間で結果判定できることから、従来は、7~10日程度の長期間の培養により生菌を検査するしか方法がなかった検査、例えば、肺炎の原因菌となるレジオネラ属菌~{(注3)}を浴槽水等から検出する場合などに特に有用とされています。
本製品は、生菌遺伝子検査法において用いる光照射装置の利便性の向上を目的として、一度に処理可能なサンプル数を従来モデルの2倍以上に増やし、タッチパネルによるプログラム制御を可能としました。今後、本製品により生菌遺伝子検査法のさらなる採用拡大が期待されます。
当社はPCR法の応用展開の一環として、検査会社向けに、ウイルスや細菌の検出キットを多く販売しています。新たに本製品をラインナップに加え、当社製品が幅広く利用されることを通じ、バイオ産業支援事業の拡大を目指しています。
(注1)
従来の遺伝子検査法では、生菌と死菌を識別できませんが、生菌遺伝子検査法では、生菌由来の遺伝子を選択的に検出することができます。
(注2)
EMA (ethidium monoazie)とは、光反応性核酸架橋剤であり、350nm~700nmの波長の光照射によりDNA又はRNAに共有結合して分子間を架橋する薬剤です。本試薬により修飾を受けたDNAはPCR反応阻害が起こります。
(注3)
レジオネラ属菌は肺炎の原因菌となり、これによる感染症をレジオネラ症と呼びます。好気性のグラム陰性桿菌で、土壌や淡水に生息し、冷却塔水、循環式浴槽水、給湯水、温泉など環境水を広く汚染します。レジオネラ症は、レジオネラ属菌の感染により起こる疾患で、感染経路は汚染水のエアロゾルの吸入・汚染水の誤嚥など環境水を介することが知られています。
【製品概要】
製品名 |
製品コード |
容量 |
希望小売価格 (税別) |
---|
LED Crosslinker 30 |
EM300 |
1式 |
180,000円 |
【製品画像】
LED Crosslinker 30
【参考:レジオネラ属菌生菌遺伝子検査関連製品ラインナップ】
製品名 |
製品コード |
容量 |
希望小売価格 (税別) |
---|
Viable Legionella Selection Kit for LC EMA-qPCR |
7730 |
50回 |
33,000円 |
Legionella LC Medium Base |
9016 |
50回 |
16,500円 |
Lysis Buffer for Legionella Ver.2 |
9183 |
50回 |
15,000円 |
CycleavePCR™ Legionella (16S rRNA) Detection Kit |
CY240 |
50回 |
57,000円 |
【製品のお問い合せ先】
テクニカルサポートラインまでお問い合わせください。
オンライン: https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php
電話: 077-565-6999(平日9時-17時)
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970