タカラバイオ株式会社は、研究機関向けに、がんに関連する遺伝子変異(融合遺伝子)を次世代シーケンサーによって高感度に検出するクリニカルシーケンスサービス「SMART~{®} Fusion-Seq解析」を本日より開始します。
がん細胞は、遺伝子の異常(変異)が原因で細胞増殖が制御できません。最近の研究から、それぞれのがんに特有の遺伝子変異があることがわかってきています。その1つが、複数の遺伝子が融合してできる融合遺伝子です。多くの融合遺伝子が同定され、これらを標的としたがん検査や治療薬が実用化されつつあります。
このたび開始するサービスは、当社独自の超微量核酸解析技術“SMART~{®}技術”を応用し、がん検体から遺伝子を抽出・濃縮し、次世代シーケンサーを使用して、解析対象となる遺伝子の融合遺伝子を網羅的に検出します。
<本サービスの特長>
- SMART~{®}技術により、微量RNA(20ng~50ng)やホルマリン固定パラフィン包埋標本など分解の進んだ低品質RNAサンプルから解析が可能
- 既知の融合パターンはもちろん、未知の融合パートナー遺伝子の検出が可能
- 解析対象の遺伝子は任意に選択可能
詳しくは当社の下記ウェブサイトをご参照ください。
https://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009299
当社は、先端研究分野で培った遺伝子解析の技術やノウハウを生かし、クリニカルシーケンスサービスの提供に注力しています。がんや遺伝子疾患の解析サービスの充実と高精度化、低コスト化に努め、最適なソリューションの提供により本分野でのさらなる事業拡大を目指しています。
※ 本サービスは、当社が国立大学法人大阪大学に設置した大阪大学大学院医学系研究科 先端ゲノム医療学共同研究講座 前田大地特任教授(常勤)らのグループとの共同研究の成果を活用して実施します。
※ 本サービスは研究を目的としたサービスです。詳細については、受託営業部(TEL:077-567-9262)までお問い合わせください。
【関連する過去のニュースリリース】
「先端ゲノム医療技術の開発と臨床実装をめざし大阪大学に共同研究講座を設置」 (2018年4月2日付)
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_1133252351446631326.html
「ゲノム医療の推進を目的とした大阪大学との連携推進協定締結のお知らせ」(2017年8月8日付)
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/news8938199359078892031.html
<参考資料>
【語句説明】
融合遺伝子
染色体の転座や逆位などの遺伝子組換えにより、2つの遺伝子が融合された遺伝子を融合遺伝子といいます。融合遺伝子は遺伝子異常の多い腫瘍細胞で確認されることが多く、融合遺伝子を指標とした分子標的薬での治療も行われています。
次世代シーケンサー
数百から数億個のDNAデータを並列に大量取得することができます。取得したデータは、専用の計算機サーバーで目的に応じて処理されます。大量の塩基配列データが取得できるため、ヒトゲノム解析やがんなどの疾病の原因解明や診断など多目的に使用される機会が増えています。
SMART~{®}技術
Switching Mechanism at 5’ End of RNA Templateの頭文字を取ってSMART~{®}と呼んでいます。PCRアダプター配列を直接付加して完全長cDNA合成できるため感度が良く、超微量の核酸サンプルからの解析が可能です。「SMART~{®}」は当社の登録商標です。
【参考図】 がんクリニカルシーケンスサービス「SMART~{®} Fusion-Seq解析」の流れ
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970