タカラバイオ株式会社は、国立大学法人大阪大学(大阪大学)との間で生殖医療分野における共同研究契約(本共同研究)を締結しました。
本共同研究において、当社は、大阪大学医学部附属病院(阪大病院)が参加する、公益社団法人日本産婦人科学会(日産婦)のPGT-A特別臨床研究において阪大病院で採取された検体の遺伝子検査を実施し、阪大病院における検査体制の構築を支援します。
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)とは、不妊治療などで得られた胚の一部に対して行う移植前遺伝子検査の一つで、妊娠率の向上、流産率の低下に寄与することが期待されています。日産婦は、PGT-Aの有用性に関し、大規模な多施設共同研究を2019年10月から開始し、多くの関連施設が、この臨床研究に参加しています。
当社は、2017年8月に大阪大学とゲノム医療の推進を目的とした連携推進協定を締結し、阪大病院内にクリニカルシーケンスラボを設置しています。また、同大学大学院医学系研究科に先端ゲノム医療学共同研究講座を開設し、共同で先端ゲノム医療研究を推進しています。
当社は、先端生命研究支援で培った遺伝子解析の技術やノウハウを生かしたクリニカルシーケンスサービスを提供し、医療分野をはじめとする生命科学分野への貢献を目指します。
(注)PGT-A臨床研究への参加資格、申込みについては、阪大病院 生殖医療センターのHPをご覧ください。
大阪大学医学部附属病院 生殖医療センターHP
https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/departments/reproductive_technique.html
<参考資料>
PGT-A特別臨床研究
PGT-A(Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidy:着床前胚染色体異数性検査)とは、体外受精などの生殖補助医療において得られた受精卵の染色体数を移植前に調べる検査をいいます。受精卵(胚盤胞)から胎盤になる一部の細胞を採取し、細胞の遺伝子解析を行います。
日本産科婦人科学会ではPGT-A 特別臨床研究として「反復体外受精・胚移植(ART)不成功例、習慣流産例(反復流産を含む)、染色体構造異常例を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の有用性に関する多施設共同研究」を実施しています。
日本産科婦人科学会HP(臨床研究について)
http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=3
ゲノム医療
個々のヒトのゲノム(遺伝情報の全体)の情報を解析し、その結果を基に、効率的かつ効果的な疾患の診断・治療・予防を行うことです。
クリニカルシーケンス
患者のゲノム情報を次世代シーケンサーと呼ばれる遺伝子解析装置を使って網羅的に調べ、治療や医薬品の開発に応用することを言います。
次世代シーケンサー
数百から数億個のDNAデータを並列に大量取得することができます。取得したデータは、専用の計算機サーバーで目的に応じて処理されます。大量の塩基配列データが取得できるため、ヒトゲノム解析やがんなどの疾病の原因解明や診断など、多目的に使用される機会が増えています。
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970