タカラバイオ株式会社は、血液に含まれる消化器系がん細胞由来の超微量遺伝子(ctDNA)の変異を高感度に検出する遺伝子解析サービス「ThruPLEX~{®} GI ctDNA Assay」(スループレックス ジーアイ シーティーディーエヌエー アッセイ)を本日より開始します。
がん検査では、外科的に採取したサンプルを検査する手法に代わり、身体への負担が少ない血液などの体液を対象とする検査法が注目を浴びています。この検査法の1つであるctDNAの遺伝子解析は、がん治療薬の選択や術後の経過観察などを目的として、様々な研究開発が行われています。しかし、血中に含まれるctDNAはきわめて微量であり、検査には高感度な検出系が必要とされています。
このたび開始するサービスは、血液サンプルからctDNAを抽出し、次世代シーケンサーを使用して遺伝子の変異を検出します。本解析では、当社独自のThruPLEX~{®} 技術により超微量のctDNAから目的遺伝子を効率的に増幅し、分子バーコード技術によって精度の高い解析を実現します。
<本サービスの特長>
- ThruPLEX~{®} 技術と分子バーコード技術の併用による遺伝子変異の高感度・高精度な検出が可能
- ThruPLEX~{®} GI ctDNA Assayは代表的な消化器がん関連遺伝子28種を搭載
- 解析対象の遺伝子領域を任意に選択することによって他のがん種も対応可能
詳しくは、当社の下記ウェブサイトをご参照ください。
https://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009437
当社は、がん遺伝子変異の解析サービスを幅広く取り揃え、がんゲノム医療への貢献を目指します。
※ 本解析サービスは研究を目的としたサービスです。
詳細については、受託営業部担当(TEL:077-567-9262)までお問い合わせください。
※ 本解析サービスは、当社が国立大学法人大阪大学に設置した大阪大学大学院医学系研究科
先端ゲノム医療学共同研究講座 前田大地特任教授(常勤)らのグループとの共同研究の成果を
活用して実施します。
*ThruPLEXは当社の登録商標です
【関連する過去のニュースリリース】
「がんクリニカルシーケンスサービス「SMART~{®} Fusion-Seq解析」を開始」 (2020年1月23日付)
https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_202767212m006ta13941635_012320.html
<参考資料>
【語句説明】
ThruPLEX~{®}技術
2017年に当社グループに加わった米国の旧Rubicon Genomics社が保有する、血中に含まれるctDNAなど超微量のDNAを増幅するための技術で、次世代シーケンサー解析用の高精度なライブラリー調製が可能です。超微量DNAサンプルから多様性の高いライブラリーを作製し、低頻度のDNA変異を高精度に検出することが可能であり、幅広いアプリケーションに対応しています。
ctDNA:circulating tumor DNA
血中に細胞から放出された遊離DNAのうち、腫瘍細胞由来のDNAを血中循環腫瘍DNA もしくはctDNAといいます。
次世代シーケンサー
数百から数億個のDNAデータを並列に大量取得することができます。取得したデータは、専用の計算機サーバーで目的に応じて処理されます。大量の塩基配列データが取得できるため、ヒトゲノム解析やがんなどの疾病の原因解明や診断など、多目的に使用される機会が増えています。
分子バーコード技術
増幅前のDNAにそれぞれ異なる配列を持つDNA分子バーコードを付加することで、真の遺伝子変異と増幅時やシーケンス時のエラーを識別する技術です。この技術を用いることにより、偽陽性の変異検出を抑え、低頻度で存在する変異も正確に検出することが可能です。
【参考図】 遺伝子解析サービス「ThruPLEX~{®} GI ctDNA Assay」の流れ
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970