タカラバイオ株式会社は、株式会社Trans Chromosomics(本社;鳥取県米子市、トランスクロモソミックス、以下、TC社)との間で、再生医療等製品における染色体解析法(注1)の標準プロトコール作成に関する技術提携契約を本年6月19日付で締結しました。当社は今後、高品質な染色体解析に関する受託サービスの提供を進めてまいります。

 

 再生医療等製品などで使用される細胞は、長期間の培養により染色体(核型)異常が起こり、本来の機能を失い、がん化等のリスクが高くなることが知られています。そのため、iPS細胞のような多能性幹細胞では、染色体解析による染色体異常の確認が行なわれます。しかしながら、染色体解析には、熟練した専門技術者が必要で、解析が普及しにくい点が課題となっています。TC社代表である押村光雄 鳥取大学名誉教授は、染色体研究に長らく従事し、染色体解析分野の第一人者です。押村氏が創業した、TC社は染色体解析に関する豊富な経験と技術を保有しており、当社は、今回の技術提携により、新たに染色体解析の標準プロトコールを確立し、今後、ニーズが高まると予想される、再生医療等製品の信頼性保証サービスとして提供することを計画しております。

 

  当社は、再生医療等製品の開発・製造支援事業であるCDMO事業に注力しており、本染色体解析サービスをはじめとし、再生医療等製品の製造、品質管理、各種試験について、GMP/GCTP(注2)に準拠した、信頼性の高い各種受託サービスメニューの提供を通じ、CDMO事業を一層拡大してまいります。

 

 

(注1)細胞核内の染色体を同定し、様々な手法により、転座・重複・欠失などの構造異常の有無を調べることです。

(注2)GMPは、Good Manufacturing Practiceの略で、医薬品を製造する際に遵守すべき「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」を指します。一方、GCTPは、Good Gene, Cellular, and Tissue-based Products Manufacturing Practiceの略で、「再生医療等製品の製造所における製造管理及び品質管理の基準」を指します。

 

 

【株式会社Trans Chromosomics の概要】

 会社名  株式会社Trans Chromosomics
 所在地  鳥取県米子市西町86
 設立  2014年12月17日
 代表者取締役  押村 光雄
 事業内容  染色体工学技術を利用した医薬品等の研究開発及び受託研究

 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970