タカラバイオ株式会社は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が本年度より実施する「遺伝子・細胞治療研究開発基盤事業」(注1)(以下、本事業) に、次世代バイオ医薬品製造技術研究組合(注2)を通じて参画し、遺伝子治療用ウイルスベクターの大量製造技術の開発に取り組みます。
また、本事業における技術開発拠点となる研究開発施設(以下、集中研)が当社の草津事業所地区に設置されますので、併せてお知らせいたします。
近年、遺伝子・細胞治療の開発が大幅に進み、先行した海外の臨床試験で、優れた安全性・治療効果が確認されたことから、世界各地で臨床開発が活発化し、我が国でも商業化を見据えた臨床開発が盛んに行われています。遺伝子・細胞治療薬の製造にあたっては、特に、ベクターと呼ばれる治療用遺伝子を細胞や病変部に届ける媒体(多くの場合は無毒化されたウイルスで、ウイルスベクターと呼ばれる)の開発や大量製造法の確立が、実用化の大きな課題になっています。本事業では、これらの課題解決に向けて、オールジャパン体制で先端的な遺伝子・細胞治療に必要となるウイルスベクターの高度な大量製造や安全性向上に関する技術開発を行い、有用な国産技術や製品を開発します。
タカラバイオでは、自社の遺伝子・細胞治療薬の開発や再生医療等製品の開発・支援を行うCDMO事業で、数多くの臨床用ウイルスベクターの製造実績があります。これらで培った技術やノウハウを本事業に提供し、さらに、日本のアカデミアや企業との連携を通じ、将来のウイルスベクター大量製造などに有用となる国産の技術開発に協力するために本事業に参画します。併せて、本事業に参画する企業やアカデミアが保有する要素技術を統合するための集中研の設立にあたり、当社施設(鉄骨造2階建の1階部分、床面積約1,000㎡;滋賀県草津市)を次世代バイオ医薬品製造技術組合に貸与します。
【本事業の概要】(当社参画プロジェクト)
課題名 |
遺伝子・細胞治療用のベクターのプラットフォーム製造技術開発 |
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代表機関 |
次世代バイオ医薬品製造技術研究組合/大阪大学 |
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プロジェクトリーダー |
大政 健史 (大阪大学/次世代バイオ医薬品製造技術研究組合) |
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統括サブプロジェクト リーダー |
岡田 尚巳 (日本医科大学/次世代バイオ医薬品製造技術研究組合) |
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期間 |
2018年10月~2024年3月(予定) |
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当社は、遺伝子・細胞治療薬の開発、再生医療等製品の開発試験を行うCDMO事業の拡大に注力しており、本事業の参画を通じ、これらの事業の一層の拡大を目指します。
【語句説明】
(注1) AMED「遺伝子・細胞治療研究開発基盤事業」
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する、遺伝子・細胞治療に関する実用化を前提とした製造法の開発・技術基盤の整備事業です。詳細はAMEDの本事業に関するホームページをご覧ください。
https://www.amed.go.jp/program/list/06/01/006.html
https://www.amed.go.jp/koubo/06/01/0601C_00038.html
(注2) 次世代バイオ医薬品製造技術研究組合
国際基準に適合した次世代バイオ医薬等の製造技術を完成させるため、企業や大学および公的研究機関が集結し、2013年(平成25年)9月に設立された技術研究組合です。詳細は組合のホームページをご覧ください。
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970