タカラバイオ株式会社は、WaferGen Bio-systems, Inc.(以下、「WaferGen社」)が開発した、シングルセル解析システムICELL8™ Single-Cell Systemを用いた遺伝子発現解析の受託サービスを2016年12月1日から開始いたします。
 
 多くの遺伝子解析では、これまで技術的制約から組織片や細胞集団をサンプルとせざるを得ませんでした。しかしながら、近年は、がんなどの様々な性質の異なる細胞から構成される組織や、iPS細胞から作製される再生医療用の細胞など、1細胞(シングルセル)単位での解析を可能とする技術が望まれています。
 
 ICELL8™ Single-Cell Systemでは独自のSmartChip™テクノロジーにより、シングルセルを単離、取得し、画像解析により生きた細胞のみを選択することが可能です。今般開始するサービスは、ICELL8™ Single-Cell Systemにより分離した最大約1,800個程度のシングルセルをサンプルとし、次世代シーケンスを行い、1細胞ごとの遺伝子発現解析データを提供いたします。
 
 当社はシングルセル解析や次世代シーケンス解析などに注力しており、新製品や新サービスの提供を通じて、本分野でのさらなる事業拡大を目指します。
 
 本サービスの詳細、価格やご注文については、下記にお問い合わせください。
 
  問い合わせ先: 営業部 TEL 077-565-6972
  ホームページ: ICELL8™ シングルセル解析 http://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009247

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

シングルセル解析

細胞集団の平均的な解析ではなく、1細胞レベルでゲノム配列やRNA配列解析を行うことです。シングルセル解析には、細胞を1つ1つ分離する技術と、1つの細胞に由来する極微量の遺伝子を解析できる超高感度遺伝子解析技術が要求されます。iPS細胞に代表される再生医療用細胞の品質評価や発がんメカニズムの解明等にシングルセル解析が用いられます。
 

SmartChip™テクノロジー

一辺約4センチメートルの薄板に、5,184個の微小なくぼみをもつSmartChip™と呼ばれる金属チップに、数10ナノリットル(1ミリリットルの10万分の1)の極微量の液体を高速で分注することが出来るナノディスペンス技術から構成されています。SmartChip™テクノロジーにより、細胞分離、遺伝子増幅、次世代シーケンスライブラリー作製、リアルタイムPCRなど、シングルセル解析のための一連の操作と反応が微量かつ高速に実施できます。
 

次世代シーケンサー

従来のサンガー法を基にしたシーケンスとは異なる原理に基づいた塩基配列解析法で、数百から数億個の塩基配列データを並列に大量取得する塩基配列解析方法です。次世代シーケンスにより、人の全遺伝子、全ゲノムの塩基配列解析が可能となりました。
 

WaferGen Bio-systems社

WaferGen社は、米国カリフォルニア州の企業で、独自のSmartChip™テクノロジーと呼ばれる技術を有しており、この技術をシングルセル解析と呼ばれる、細胞レベルでの遺伝子解析分野に活かした製品開発を行っています。代表的な製品として、シングルセル解析システム”ICELL8™ Single-Cell System”、リアルタイムPCRシステム”SmartChip™ MyDesign Real-Time System”、NGSライブラリー調製システム”Apollo 324™ Library Prep System”などがあります。
 
※ICELL8™, SmartChip™はWaferGen社の商標です。