タカラバイオ株式会社は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した事業「再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発」に採択され、この度、本事業に関する委託契約が締結されましたのでお知らせします。

 

本事業は、再生医療製品及び原料となるヒト幹細胞を製造・加工するための製造システムを開発することを目的としています。当社は、本事業において「ヒト多能性幹細胞由来の再生医療製品製造システムの開発」を担当し、iPS細胞やES細胞などの幹細胞から製造される再生医療製品の製造工程おける細胞の品質管理・評価試験方法を開発します。

 

【委託概要】

 

事業名 再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発
研究開発項目 ヒト多能性幹細胞由来の再生医療製品製造システムの開発
委託先 当社、他企業11社、京都大学
期間 平成26年4月1日~平成31年3月31日
当社への委託金配分額 平成26年度 34,259,760円(税込)

 

当社は、iPS細胞など幹細胞の基礎研究や、再生・細胞医療開発支援(CDMO事業)に注力しております。本事業を通じて幹細胞研究の実用化、再生・細胞医療の実現化に貢献してまいりたいと考えております。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

再生医療製品

再生医療は、ヒトの細胞・組織を取得・加工し移植することで、損傷を受けた生体機能を回復させる医療です。ここで移植される製品を再生医療製品といいます。本事業では、iPS細胞やES細胞といったヒト多能性幹細胞を拡大培養、分化誘導(培養)、品質管理(評価)、加工、保存(凍結・解凍)等のプロセスを経て製造・加工される再生医療製品を開発の対象としています。

 

多能性幹細胞

種々の細胞へ分化できる能力(多分化能)と分裂増殖を経ても未分化な細胞を維持できる自己増殖能を有する細胞のことをいいます。例えば、再生医療への応用が期待されているヒト初期胚より樹立されたES細胞(Embryonic Stem Cells:胚性幹細胞)やヒト体細胞をリプログラミングして得られた人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells:iPS細胞)も含まれます。

 

CDMO事業

当社が拡大を目指している、バイオ医薬品のGMP(Good Manufacturing Practice)製造受託や研究開発のパートナーとして受託業務を行う事業のことです。CDMO事業の具体例としては、遺伝子治療用のベクターや再生・細胞医療に利用される細胞の、製造プロセス開発や品質管理試験法の開発、試験製造、バイオアッセイ、GMPに準拠した受託製造があげられます。なお、CDMOとはContract Development Manufacturing Organizationの略です。