タカラバイオ株式会社は、米国子会社クロンテックラボラトリーズ社(Mountain View, CA, USA、以下「クロンテック社」)が開発した、次世代シーケンサー用の遺伝子発現解析キット、SMART-Seq™ v4 Ultra Low Input RNA Kitを、本日より全世界で発売いたしますのでお知らせいたします。
本製品は、クロンテック社が、ラドウィックがん研究所(Zurich, Switzerland)からSMART-Seq™ 2技術に関する特許の独占的ラインセンスを受け、開発しました。本製品は、超微量のRNAサンプルから効率よくcDNAライブラリーを作製することができ、高感度な遺伝子発現解析が可能です。本特長により、近年拡大しているシングルセル解析など微量のサンプルから次世代シーケンサーによる遺伝子発現解析を行う研究において、広く利用されることを期待しております。
当社グループは、次世代シーケンサー向けの新製品開発に注力しており、今後とも同分野の製品ラインナップを拡充し、更なる売上拡大を目指します。
製品名 | 容量 | 製品コード | 希望小売価格(税別) |
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SMART-Seq™ v4 Ultra Low Input RNA Kit for Sequencing | 12回 | 634888 | 267,800円 |
24回 | 634889 | 494,400円 | |
48回 | 634890 | 803,400円 | |
96回 | 634891 | 1,236,000円 |
本製品の詳細については、当社営業部(TEL:077-543-6116)までお問い合わせください。
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970
<参考資料>
【語句説明】
ラドウィックがん研究所
1971年に設立された非営利の国際研究機関です。がんに関連した基礎研究から臨床研究まで行っています。
SMART-Seq™ 2技術
ラドウィックがん研究所で開発された技術です。SMARTⓇ法にLNA(Locked Nucleic Acid)を導入して特異性を向上させることにより、高感度な遺伝子発現解析が可能となります。
SMARTⓇ法
クロンテック社が特許を保有する技術で、Switching Mechanism at 5’ End of RNA Templateの頭文字を取ってSMARTⓇ法と呼んでいます。PCRアダプター配列を直接付加して完全長cDNA合成できるため感度が良く、超微量の核酸サンプルからのcDNAライブラリー作製が可能です。
cDNAライブラリー
DNA上の遺伝子情報は、mRNAとして転写され、タンパク質に翻訳されて機能します。細胞中に存在するmRNAを人工的にDNA化した分子集団をcDNAライブラリーと呼び、遺伝子解析の材料として汎用的に利用されます。RNAは安定性が低いですが、cDNA化することにより安定なDNAとなり、次世代シーケンサーなどでの各種解析が可能となります。
次世代シーケンサー
従来のサンガー法を基にしたシーケンサーとは異なる原理に基づいた塩基配列解析装置で、数百から数億個の塩基配列データを並列に大量取得することができます。次世代シーケンサーとしては、イルミナ社のHiSeqシステムやMiSeqシステム、ライフテクノロジーズ社のIon PGM、パシフィック・バイオサイエンシズ社のPacBio RSIIなどがあります。当社は、各社次世代シーケンサーを取りそろえ、高速シーケンス解析の受託サービスを提供しています。