タカラバイオ株式会社は、Cellectis SA社(本社:フランス)から買収したCellectis AB社(本社:スウェーデン)の社名をTakara Bio Europe AB社(以下「TBEAB社」)と改称し、本日より、同社製品を「Cellartis™」ブランドとして全世界で販売開始いたしますので、お知らせいたします。
TBEAB社の起源は2001年に設立されたCellartis社で、設立以来、ES細胞やiPS細胞など幹細胞研究分野の製品の開発及び販売を展開しており、本分野で「Cellartis™」は広く認知されています。
本製品は、再生医療研究分野や医薬品候補物質の評価試験などにおいて幅広く利用される製品です。本評価試験での利用では、動物実験や臨床試験の一部を試験管レベルの評価試験として代替することとなり、医薬品開発のコストやリスクを大幅に削減することが期待されます。
また、当社は、顧客より提供を受けた細胞からiPS細胞を作製し、iPS細胞から、TBEAB社が保有する技術を用いて、種々の細胞に分化誘導するサービスの提供を開始します。さまざまな細胞種に対応するほか、取得した細胞の品質検査、遺伝子解析にいたるまで、顧客ニーズに幅広く対応したサービスを提供してまいります。
当社は、本製品・サービスの取扱により、近年研究開発が急速に進んでいる幹細胞研究分野の製品のラインナップを拡充し、業績拡大を目指します。
【本製品概要】
細胞
製品名 | 容量 | 製品コード | 希望小売価格 (税別) |
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ヒトES細胞由来心筋細胞frozen Pure hES-CM™ | 1キット | Y10060 | 180,000円 |
ヒトiPS細胞由来心筋細胞frozen hiPS-CM | 1キット | Y10070 | 180,000円 |
ヒトiPS細胞由来肝細胞frozen Enhanced hiPS-HEP™ | 1キット | Y10050 | 235,000円 |
ヒトiPS細胞株DEF-hiPSC™ | 1バイアル | Y00180 | 585,000円 アカデミア価格* |
ヒト間葉系前駆細胞株hES-MP™ 002.5 | 1バイアル | Y10090 | 215,000円 |
ES細胞・iPS細胞培養用培地
製品名 | 容量 | 製品コード | 希望小売価格 (税別) |
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DEF-CS™ 500 | 1キット | Y30010 | 90,000円 |
ヒト/マウス幹細胞・ヒト繊維芽細胞 表面抗原検出用抗体
製品名 | 容量 | 製品コード | 希望小売価格 (税別) |
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hES Cellect™ | 150μg | Y20010 | 95,000円 |
ES Cellect™ | 150μg | Y20011 | 95,000円 |
hFF Cellect™ | 150μg | Y20012 | 95,000円 |
* 非営利施設において研究目的で使用する場合の価格です。営利施設における使用や商業目的で使用する場合は当社営業部までお問い合わせください。
本製品・サービスの詳細については、Cellartis™製品のホームページ(http://www.cellartis.com)或いは当社営業部(TEL:077-543-6116)までお問い合わせください。
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970
<参考資料>
【語句説明】
幹細胞
他の種類の細胞へ分化できる能力と分裂増殖を経ても未分化な細胞を維持できる自己複製能を有する細胞のことをいいます。中でも多種類の細胞へ分化することができる幹細胞を多能性幹細胞といい、再生医療への応用が期待されているES細胞やiPS細胞などが含まれます。
ES細胞
ES(Embryonic Stem:胚性幹)細胞は、初期胚より樹立され、分化多能性を維持したまま半永久的に増殖させることができると言われています。これまで多くの再生医療関連の基礎研究がES細胞を用いて行われています。
iPS細胞
体細胞に、数種類の遺伝子を導入することなどによって分化多能性が誘導された細胞のことです。2006年に京都大学山中伸弥教授らのグループにより、この現象が発見され人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells :iPS細胞)と名付けられました。iPS細胞は、ES細胞とほぼ同等の分化多能性を示すことから、薬剤開発、種々の疾患の病態解明や再生医療への応用が期待されています。
間葉系前駆細胞
幹細胞が骨、軟骨、脂肪、筋肉など間葉系に属する細胞に分化する過程の途中でつくられる細胞です。幹細胞と同様に、薬剤開発、種々の疾患の病態解明や再生医療への応用が期待されています。
繊維芽細胞
結合組織を構成する細胞の1つです。通常のプラスチック培養皿などでは培養が困難な細胞に対して、繊維芽細胞は接着のための足場として、培養環境を整える働きをします。