タカラバイオ株式会社は、国立大学法人九州大学(以下「九州大学」)と、九州大学が保有する、新規遺伝子導入用ベクターである麻疹ウイルスベクターを用いたiPS細胞作製技術のライセンス契約を締結し、全世界での独占的実施権を取得しましたのでお知らせします。
当社は、本技術の発明者である東京大学医科学研究所ALA先端医療学社会連携研究部門 谷 憲三朗 特任教授(元九州大学生体防御医学研究所 教授)、及び国立感染症研究所 ウイルス第三部 竹田 誠 部長(元九州大学大学院医学研究院 准教授)らと麻疹ウイルスベクターを用いたiPS細胞作製技術開発の共同研究を実施しております。
麻疹ウイルスはパラミクソウイルス科に属する一本鎖RNAウイルスです。麻疹ウイルスベクターは、麻疹ウイルスの本来持つ病原性及び伝播性に関する遺伝子を欠損させ、目的の遺伝子を搭載できるよう改変した遺伝子導入用ウイルスベクターです。 麻疹ウイルスベクターは、搭載した遺伝子が細胞質内でのみ転写・翻訳されるため染色体に遺伝子が組み込まれず、特に免疫細胞や造血幹細胞などに高効率で遺伝子導入することが可能で、効率良くiPS細胞を作製できます。
今後、当社においてiPS細胞作製用麻疹ウイルスベクターの最適化・大量製造法の開発などをさらに進め、麻疹ウイルスベクターを用いた新製品・受託サービスメニューを開始する予定です。
当社は今後も麻疹ウイルスベクターを含む各種ベクター技術やiPS細胞関連製品・サービスの開発に注力してまいります。
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970
麻疹ウイルス
麻疹ウイルスはパラミクソウイルス科に属する一本鎖RNAウイルスで、はしかの原因です。麻疹ウイルスの毒性及び伝播性を遺伝子工学的に欠損させ、目的の遺伝子を搭載できるようしたものが麻疹ウイルスベクターです。