タカラバイオ株式会社は、再生医療等製品などの品質試験に使用するマイコプラズマ検出試薬キットを本年12月6日より発売いたします。
 
 マイコプラズマは微小な細菌で、動物細胞等に感染した場合、細胞の増殖や特性に有害な影響を与えることが知られています。一方でマイコプラズマは、非常に微小であるため、再生医療等製品などの製造工程で使用する不純物除去フィルターでは除去が難しく、マイコプラズマ感染が大きな問題となっています。
 このような理由から、細胞を主成分とする再生医療等製品などではマイコプラズマ汚染を否定することが強く求められています。従来、感染検出は培養法が実施されてきましたが、結果判定までに長時間(約1ヶ月)を要する点が課題となっていました。
 
 今般発売するマイコプラズマ検出試薬キットは、リアルタイムPCR法を用いて、日本薬局方などの公定法で規定された7種のマイコプラズマ遺伝子を約1時間で検出します。本製品は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)および国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)再生医療実現拠点ネットワークプログラムの支援の下、国立大学法人東京医科歯科大学再生医療研究センター清水則夫先生との共同研究の成果より製品化しました。
 
 さらに、当社はマイコプラズマ検出だけでなく、再生医療等製品などへのウイルス検出試薬キットも発売しており、本年10月より、これまでよりさらに高感度なウイルス試験受託サービスを開始しました。
 
 当社は、これら再生医療等製品などの品質試験関連製品・サービスを活かし、再生医療等製品などの製造開発支援事業であるCDMO事業をさらに拡大させてまいります。

【製品概要】

製品名

容量

製品コード

希望小売価格

(税別)

TaKaRa Mycoplasma qPCR Detection Kit

96検体

RR277A

384,000円

TaKaRa Mycoplasma qPCR Detection Kit

(タカラバイオ社装置用)※

96検体

RR278A

580,000円

 

※9キット以上から発注を承ります。

【製品写真】

 本製品の価格等の詳細やご購入については、当社受託開発部製品担当(TEL: 077-567-9262)までお問い合わせください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

【語句説明】

再生医療等製品

「医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、医薬品医療機器等法)により、医薬品や医療機器とは別に新たに定義されたカテゴリーで、従来の再生医療で想定される移植用に加工・調製されたヒトの細胞・組織等に加えて、遺伝子治療製品や細胞治療も含まれます。
 

マイコプラズマ

自己増殖能をもつ最小の原核生物で、大きさは0.2 μm~0.8 μmであるため、通常のフィルターで除去することが難しく、ほとんどの抗生物質に抵抗性があります。培養細胞と共存して増殖し、光学顕微鏡での観察は不可能であるため、汚染されても気付きにくいと言われています。
 

日本薬局方

医薬品医療機器等法第41条により、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書です。マイコプラズマ否定試験の核酸増幅法については、第十七改正日本薬局方 参考情報の「バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品の製造に用いる細胞基材に対するマイコプラズマ否定試験 C. 核酸増幅法(NAT)」に示されています。
 

CDMO事業

再生医療等製品などの製品開発支援サービス事業をCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)事業と呼んでいます。遺伝子導入用ベクターの製造や細胞加工、遺伝子解析、安全性試験などの受託サービスなどが含まれます。